信号や周辺のクルマ流れ、歩行者や自転車の動きなど、クルマを安全に走らせるためにはやはり“よく見る”ことが大切。それだけにメガネは、目が悪い人にとって運転時に欠かせない、重要なアイテムのひとつだ。
文/井澤利昭、写真/写真AC
【画像ギャラリー】老眼でも安心・安全に運転を楽しもう(7枚)画像ギャラリー■免許の種類によって異なる視力検査の合格基準
運転免許の取得や、免許の更新時には必ず行われる「適性試験」。そのひとつに視力検査があることは、ドライバーであれば誰もが知るところだ。
普通免許の場合、両眼で0.7以上かつ、一眼がそれぞれ0.3以上とされており、、一眼の視力が0.3に満たない、もしくは一眼が見えない人は、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.7以上が合格基準となっている。
ちなみに意外と知られていないのが、免許の種類によって合格となる視力の基準が違っていること。
原付や小型特殊免許では両眼で0.5以上、一眼が見えない人については、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.5以上、大型や中型・準中型、けん引、第二種免許などの場合は、両眼で0.8以上かつ、一眼それぞれで0.5以上あることが求められる。
視力がこの基準に達していない場合は、免許の取得や更新はできないが、そうした人であってもメガネやコンタクトレンズを使用して視力を矯正し、視力検査に合格すればもちろん問題ない。
ただし、適性試験での視力検査でメガネやコンタクトレンズを使用した人は、運転免許の「免許の条件等」の項目に「眼鏡等」と記載され、実際にクルマを運転する際にもそれらを使用することが必要。
これを守らず、メガネやコンタクトレンズを着用せずに運転して取り締まりの対象となれば、免許条件違反として違反点数2点と7000円(普通車の場合)が科されることになる。
なお、視力はその日の体調などによっても変化するため、一度不合格になった場合でも、何度でも再検査受けることが可能。
とはいえ、免許取得のための卒業証明書や更新の期限内に合格しないと、新しい免許証を受け取ることはできないので気をつけたい。
長年使っているメガネの場合、自分ではちゃんと見えているつもりでも、知らぬ間に視力が落ちていたというのはありがちなこと。
視力に不安がある人は、検査前に一度専門のメガネ店に足を運び、今、使用しているメガネで基準をクリアできるかを前もって確認しておいたほうがいいだろう。
【画像ギャラリー】老眼でも安心・安全に運転を楽しもう(7枚)画像ギャラリー■ナビが見えない老眼ドライバーなら遠近両用メガネがお薦め
クルマを運転するために長年メガネを使っているベテランドライバーの悩みとしてありがちなのが、周辺の様子は問題なく見えるにもかかわらず、メーターやナビの画面、手元の操作ボタンなどがどんどん見えづらくなるという問題。
その原因はもちろん加齢による老眼で、手元を鮮明に見る手段として、メガネを外したり、シニアグラスやリーディンググラスなどとも呼ばれる老眼鏡を使っている人も多いかもしれないが、同じメガネといっても老眼鏡はあくまで近距離を見るためのもの。
そのためクルマの運転に適した遠距離のものを見るのには適しておらず、「なんとなく遠くも見えるから」と老眼鏡をかけたまま運転するのは、やはり危険と言わざるを得ない。
そんな悩みを解決してくれるのが、メガネを外したり、かけ替えたりする必要がない「遠近両用メガネ」だ。
「遠近両用メガネ」は、文字どおり遠くと近くの両方が鮮明に見えるメガネで、周辺を走るクルマの様子や信号、道路標識といった遠くのものから、カーナビの画面やメーター、手元のスイッチ類などの近くまでしっかりと見えることがその最大のメリット。
いっぽうで近年主流の累進レンズを使用している「遠近両用メガネ」では、近くと遠くを見るレンズの境目が滑らかな反面、視界がゆがんで見えることもある点には注意が必要。
また、上下の幅が狭いフレームなど、デザインによっては視野が狭くなってしまうことにも気をつけたい。
「遠近両用メガネ」での運転は、目線だけでの視野の確保が難しく、特に左右を見る時にはレンズのゆがみのある部分で見ることになり、視野がぼやけることもあるため、目線だけでなく頭を動かして対象物を見るクセをつけるようにしたい。
そのため「遠近両用メガネ」を新調した場合はいきなり運転で使うことはせず、ある程度慣れてからの使用が良いとされている。
慣れない状態での使用はいつも以上の疲労や集中力の欠如にもつながるため、事故の原因ともなりかねないからだ。
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