【販売帝国トヨタでも失敗!!】トヨタでも売ることが難しかったクルマ 5選

■オーパ(販売期間:2000~2005年)

 オーパは新感覚のファミリーカーである。セダンとワゴンのクロスオーバーで、コンパクトなボディサイズなのにホイールベースは2700mmと長かった。

 姿を現したのは、1999年秋に開催された東京モーターショーのトヨタブースだ。プラットフォームはV50系「ビスタ アルデオ」のものを用いている。クリーンなスタイリングだけでなく、高効率のパッケージングも注目を集めた。2列シートの5人乗りだが、キャビンは広い。後席はスライドするから足元は広く、快適だ。前席と後席のシートを色違いとしたことも新しい。

 2000年5月に発売された時のパワーユニットは1.8Lの直列4気筒DOHCである。コラムシフトの4速ATを採用したからミニバンのようにウォークスルーが可能だ。

 夏にD-4と呼ばれる2Lの1AZ-FSE型直噴エンジンを追加設定した。このエンジンに組み合わせたのは、トヨタ初のスーパーCVTだ。走りの実力も思いのほか高かったから評判はよかった。

 が、保守的なセダン派は敬遠したし、装備もそれなりのレベルにとどまっていたからプレミアムを期待する人たちもスルーしている。当然、販売は下降線をたどった。そのため2005年に販売を終えている。

■ヴェロッサ(販売期間:2001~2004年)

 バブルが弾け、大きいことはいいことだ、の時代は終わった。が、ラグジュアリー装備を満載した、立派なアッパーミドルサルーンで育っていった人たちは、コストをケチったFFのセダンは毛嫌いしている。

 そこでトヨタが開発に乗り出したのは、マークIIのメカニズムを用いた小さな高級車だ。1998年、第1弾として「プログレ」を送り出した。これに続き2001年6月には「ブレビス」を発売している。

 プログレとブレビスは、ダンナ仕様のゴージャスなセダンだった。スポーティさは薄い。刺激的な走りを求めるならアルテッツァになるが、上質ムードは希薄。そこで走りの楽しさにこだわるFR党に向けて、上質なスポーツセダンを発信する。それがチェイサーの事実上の後継モデル、ヴェロッサだ。登場したのはブレビスより1カ月遅い7月である。

 開発テーマは「人の情感に訴える」クルマだから、デザインには強いこだわりを見せた。フロントマスクは個性的だし、インテリアもスポーティさがわかりやすいデザインだ。

 パワーユニットは、マークIIと同じ2Lと2.5Lの直列6気筒DOHCエンジンを用意している。2.5Lエンジンにはパワフルなターボ搭載車も設定した。また、限定仕様のスペチアーレVR25が積むのは、ヤマハチューンのターボエンジンだ。

 トヨタの意気込みが感じられるプレミアムスポーツセダンで、マークIIよりスポーティな味わいが強い。痛快な加速を見せたし、ハンドリングも正確だった。

 だが、目論見通りに売れたワケではない。2Lエンジン搭載車ばかりが売れたのである。3兄弟のなかではもっとも販売台数は低調で、4桁に届かない。ほかの兄弟は2007年まで販売が続けられた。が、ヴェロッサだけは2004年春に販売を打ち切った。わずか2年8カ月と短命だった。

 ちょっとしたボダンの掛け違いが、明暗を分けたのである。販売終了後はドリフトマシンとして珍重されたのだが……。

【画像ギャラリー】トヨタでも売れなかったけど、実は海外で大変身していたiQ

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