■英国のオープンカー
(日本車にロードスター以外のオープンが生まれることと、英国ブランドをどこかが買って再び英国ブランドの小排気量オープンが誕生しないかと心の中で思っています、という読者の方からの声に)
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イギリスのロードスター、あるいはドロップヘッドというオープンモデルはもう生まれてこないでしょう。
本来、イギリスは古い自動車工場が数多くあり、大量生産にはない個性的なモデルが面白かったのです。しかし、もうそんなクルマは考えられません。
ロードスターやドロップヘッドクーペ、それに固定式のルーフを付けたフィクストヘッドクーペのボディ成型はイギリスを発するところが多いのです。現在ではドイツ車のカブリオレを日本でも多くの人が乗っていますが、イギリスが最も多くのボディタイプを生みました。
日本ではオープンといいますが、イギリスではロードスター、ドロップヘッドクーペ、コンバーチブル、ドイツやフランスではカブリオレやカブリオといろいろな呼び方があります。
ロードスターは本来商業的な意味が強く、マツダロードスターなどは、コンバーチブルやドロップヘッドクーペというべきものでしょう。
ちなみにクーペは切られた馬車を表すフランス語が元で“短い”という意味を持つようになりました。クルマのボディの名称は一度しっかり勉強したいですね。
■軽自動車の新規格
(TPPほかで軽自動車の優遇が問題になるなか(※当時)で、軽自動車を作る側からも新しい提案が必要だと思います、徳大寺さんはどうお考えでしょうか? という質問に答えて)
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日本の軽自動車は日本の誇るべき技術のひとつだと思います。800ccにしたら1000cにしろ世界中のクルマのスタンダードを燃費を基準にしたいですね。その点では日本の軽自動車は十分じゃないでしょう。
軽自動車はやや重くなり過ぎました。エアコン装備で700kgプラスαが理想ですが、多くの軽自動車は900kg以上あります。それにあれこれ装備を付ければ1t近くになってしまいます。
もっとシンプルで燃費のいい軽自動車がほしいですね。その点ではミライースやアルトエコはいい線かもしれません。
とにかく新車の販売台数でみると40%近い人が軽自動車を選んでいます。それだけ期待が大きいのですが660ccのパワーユニットで充分なクルマを作ることはとても難しいのです。それだけに軽量化がカギとなり、各社とも熾烈な研究開発を行っています。
輸出まで考えるともう少し大きな排気量となりますが、そうするとリッターカーなどと変わらなくなり、軽自動車の立ち位置が難しくなってくるかもしれず、低価格で提供することも難しくなるかもしれません。
■パッカードの強烈な印象
(パッカードの流麗なデザインに、こんなにかっこいいクルマを作れるクルマと戦争しちゃ勝てっこないという気持ちを抱いた、という年配の読者の方からの、パッカードというブランドは日本ではどのような受け止め方をされていたのでしょうか? という質問に)

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パッカードはロールスやディムラーと肩を並べるアメリカの高級車メーカーで、小林旭さんの“自動車唱歌”だったと思いますが、パッカードが出てきます。
戦後のクリッパーなかでも、直列8気筒のスーパーエイトが有名ですが、パトリシアンやホークを思い出します。大量生産に乗り遅れたメーカーとして晩年は哀れでしたが、最後まで誇りを失わない態度は立派でした。
現在ならスーパーチャージドエンジンにするとか生き残る方法はあったと思いますが、V8ユニットへの移行が遅れたことが命取りになりました。
パッカード・ゴールデンホークはかっこいいクルマでした。パッカードは1950年代後半に、スチュード・ベーカーを吸収合併し、当時はナッシュとハドソンが合併しアメリカン・モーターズ・コーポレーション(AMC)となった時代でもあります。
このハドソンが作ったクルマにハドソン・ホーネットがあった。“ステップダウン”つまり、フロアパンをフレームよりも低くレイアウトしたおかげで、重心の低いデザインが可能になったものだ。
クルマが大衆化する直前、1950年代のアメリカ車は、豪華でうっとりするようなモデルがたくさんあります。
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