コンパクトミニバン市場で人気のトヨタ「シエンタ」とホンダ「フリード」。多人数乗車が可能でありながらも5ナンバーサイズで取り回しがよく、日常使いやレジャーに最適な両モデルだが、どちらも魅力的なモデルであることで、どちらを購入するべきか、悩んでいる人は少なくないのではないだろうか。
はたして、シエンタとフリードはどちらがよりいいクルマなのか。長所と短所を徹底比較してみた。
文:立花義人、エムスリープロダクション/写真:HONDA、TOYOTA
【画像ギャラリー】どちらがよりいいクルマ!?? トヨタ「シエンタ」とホンダ「フリード」を写真で比較!!(21枚)画像ギャラリーファミリーに適したデザインと機能をもつシエンタと、上質な雰囲気があふれるフリード
シエンタのエクステリアデザインは、ヨーロッパのコンパクトモデルのような雰囲気と日本人好みのシンプルさを併せ持つ、丸みのある柔らかなデザインで、特にファミリー層からの評価が高い。地上からの乗り込み高さが330mmとかなり低く、年配者や子供でも安心して乗り降りできるのも、ファミリー層から支持を集める理由だろう。
ただシエンタは、インパネデザインが、上級グレード以外はやや簡素な印象があり、上質さを求めるユーザーには物足りなく感じるかもしれない。
一方のフリードは、モダンでスタイリッシュなエクステリアデザインだ。シエンタと方向性は似ているが、ミニバンとしての存在感は、フリードのほうが上回っているように感じる。また、室内のレイアウトの自由度が高く、用途に応じて5人乗り、6人乗り、7人乗りが選べるのもフリードの特徴だ。このクラスでキャプテンシートの快適さが選択できるのも、フリードならではの強みだろう。
ただ、フリードは、荷室の使い勝手があまりよくない。3列目シートが左右跳ね上げ式のため、畳んだ状態でも左右に張り出しができてしまうのだ。この点は、ダイブダウンタイプのシエンタのほうが優れる。また、人によっては、Aピラーの付け根の太さ(によって死角ができてしまうこと)が気になるかもしれない。
燃費性能はほぼ互角ながら、ややシエンタが上回る
シエンタに搭載されているトヨタ謹製ハイブリッドは、市街地走行での燃費性能に優れ、カタログ燃費で28.8km/L(ハイブリッドX・FF・5人乗り)と、ミニバンとしてはかなり優秀な燃費性能をもつ。加速性能やスムーズさも申し分ないが、ガソリン走行モードになったときのエンジンノイズが大きめだ。ハイブリッド走行時の静粛性が高いため、エンジンONになった瞬間の、「ガー」というノイズが余計に気になってしまう。ガソリンエンジンモデルの燃費性能はやや見劣りし、カタログ燃費で18.4km/L(1.5Lガソリン車・FF)となる。
フリードも、ハイブリッドモデルの燃費性能は高く、カタログ燃費は25.6km/L(e:HEV AIR・FF・6人乗り)。実燃費はシエンタに近いところまで持っていけると思われ、ホンダ独自のe:HEVシステムによる高効率なエネルギー管理と滑らかな加速が味わえるほか、エンジンノイズが小さく、かつ音質もよいなど、走行中の質感はフリードハイブリッドの方が一枚上手だ。シエンタ同様、やはりガソリンモデルは燃費性能が劣り、カタログ燃費は16.4km/ L(FF・5人乗り)。ただ、シエンタにしてもフリードにしても、ミドルクラスミニバンよりは燃費がいいので、それほど問題ではないのかもしれない。
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