先人たちの知見を言葉にした「ことわざ」を、カーライフに役立ててみようというこの企画。クルマのない時代の言葉であろう「ことわざ」が、意外とクルマまわりに当てはまる!? ここでは「は行」のカーライフことわざを取り上げる。
※本稿は2024年12月のものです
文:伊達軍曹/写真:トヨタ、AdobeStock
初出:『ベストカー』2025年1月10日号
■墓に布団は着せられず(はかにふとんはきせられず)→MT車や純エンジン車の存続を願っているのに買わない人
親が死んでからでは、したくても孝行はできないということわざ。このことわざで真っ先に頭に浮かぶのは、やはり「MT車」および「純エンジン車」だろう。
当たり前だが絶滅してしまってからでは乗ることができない。それらの存続を願うなら、それらがまだ生きているうちに、積極的に買い支えるのも愛好家の務めなのかもしれない。それは未来のクルマ社会への孝行だろう。
【画像ギャラリー】手前味噌ですが……「は行」はなかなか秀逸ですね!! カーライフに役立つ「ことわざ」事典【は行】編(8枚)画像ギャラリー■腹は立て損喧嘩は仕損(はらはたてぞん けんかはしぞん)→イラついているドライバー全員
腹を立てても喧嘩をしても、結局は自分が損をするだけなのだから、腹は立てるな、喧嘩はするなという意味のことわざ。
これは完全に道路上においても言えることだ。市街地や混んでいる高速道路などを運転している最中は「ムカつくことだらけ」とも言える状況になる場合が多い。
そのため腹を立てたり、最悪の場合には路肩でケンカになったりすることもあるのは、いちおう理解できる。だがそんなことをしても免許失効や事故、あるいは逮捕されるリスクを増やすだけであり、得することは何ひとつとしてない。
超絶ムカつくことがあったとしても、とりあえず深呼吸でもして、一刻も速く忘れるようにしたい。
【画像ギャラリー】手前味噌ですが……「は行」はなかなか秀逸ですね!! カーライフに役立つ「ことわざ」事典【は行】編(8枚)画像ギャラリー■河豚食う馬鹿 河豚食わぬ馬鹿(ふぐくうばか ふぐくわぬばか)→重度のクルマ好きと、「クルマの所有は無意味」と考えている人
フグには毒があるので、むやみに食べるのも愚かだが、毒を恐れて、おいしいフグを食べないのもまた愚かであるという意味。これは「クルマ好き派」vs.「今どきクルマを所有するなんて意味ないでしょ派」の争いを俯瞰した際に浮かんでくることわざだ。
もちろん、いちいち維持費と手間がかかる自家用車を所有するのは、ある意味では愚かな行為だ。だが同時に「自分のクルマを持つことの素晴らしさ」を知らないままでいる非所有派も、愚かであるとは言える。どちらにも一理あることを意識しつつ、無駄な言い争いは避けるようにしよう。
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