1960年代のメルセデス・ポルシェ・欧州車たち エドセル・トライアンフ クルマに長く乗るということ【復刻・徳大寺有恒「俺と疾れ!!」】

■トライアンフの日本車

トライアンフ・アクレイム…1981年誕生。トライアンフブランドで生産された最後の乗用車で中身は初代ホンダ・バラード。ブリティッシュ・レイランドとホンダの提携によるEU域内で生産される初の日本車として注目された
トライアンフ・アクレイム…1981年誕生。トライアンフブランドで生産された最後の乗用車で中身は初代ホンダ・バラード。ブリティッシュ・レイランドとホンダの提携によるEU域内で生産される初の日本車として注目された

(若い頃はMGのミジェットに乗っていたという読者の方からの、「初代バラードをトライアンフ・アクレイムとして販売したのがホンダと英国自動車産業の結びつきの第一歩だったことを先日知った」「アクレイムはローバー200のように外観にオリジナリティがなく、ほとんどバラードのままのように見える。日本人の私には、こいつがトライアンフブランドでは無理があるように思えましたが、けっこう売れたというのも面白い話ですね」という投稿に)

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 MGミジェットは私も乗りましたが、やはりイギリスのライトカーでした。

 私はよく考えるんですが、昔のクルマ、例えばオースチン・ヒーレー(ビッグもスプライトも)が現在あったらいいのにと思います。

 安直なボディ(といっても安全性で手抜かりできませんが)に1~1.3Lの小排気量のスポーツカーは乗っていて楽しいものです。とにかくかっこよくて軽いこと、これが大事です。カッコだけのクルマもありだなあと思います。

 さてトライアンフ・アクレイムですが、ブリティッシュ・レイランド(BL)がホンダと手を結んだことで生まれたクルマですね。トライアンフブランドならもう少し高級にという思いはブリティッシュ・レイランドにもあったと思いますが、とにかく金も時間もなかったのでしょう、バラードと変わりませんでした。それでも、ホンダの実用性が評価されたのだと思います。

■次の愛車について

(シルビア、180SX、スープラ、RX-8を乗り継いできたという読者の方からの、輸入車のコンパクトカーに1度乗りたいと思っています、何かいいアドバイスはないでしょうか、との声に)

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 VWゴルフ、プジョー308、ルーテシア、ボルボV40とどれもいいですね。中古になって価値があるのはゴルフでしょうか、ボルボでしょうか。それはどうあれ、4~5年は乗っていたいですね。しかし、●●●さん(※お手紙いただいた読者の方のお名前)ここはよく考えてください。

 聞きますが、今までのクルマはどうでしたか? どう乗ってきましたか? 正確に答えられないでしょう。しっかりと1台のことを話せるようになることが、あなたにとって大切だと思います。

 クルマというものは数多く乗ればいいものではありません。1台じっくりと愛車として乗ってみてください。クルマが体の一部になるようにまでつきあうことが、クルマとこれからうまくつきあっていくうえでの貴重な経験になると思います。長く乗るという覚悟がついた時にもう一度お便りください。

■エドセルというブランド

エドセル…1957年<strong>章</strong>フォードとマーキュリーの間を埋める新ブランドとして誕生するも、奇抜なフロントマスクのせいか販売は大不振。わずか3年で販売中止となった。映画「アメリカン・グラフティ」でその姿を見ることができる
エドセル…1957年フォードとマーキュリーの間を埋める新ブランドとして誕生するも、奇抜なフロントマスクのせいか販売は大不振。わずか3年で販売中止となった。映画「アメリカン・グラフティ」でその姿を見ることができる

(古い自動車の本で「エドセル」というアメリカ車のブランドを知ったという読者の方からの、「エドセルはどんな狙いで、どんなクルマを作っていたのでしょうか?」という質問に)

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 エドセルはフォードの創設者であるヘンリー・フォードの息子エドセル・フォードにちなんでつけられたものです。エドセルが販売された頃の社長は息子のヘンリー・フォード2世でした。

 エドセルはヨーロッパ趣味で初代リンカーン・コンチネンタルをデザインしています。しかし、ヘンリー・フォードの覚えはよくなく、社長はやりましたが、短い間でした。

 さてクルマのほうのエドセルは高級車と大衆車の間を埋める「中級車」として開発されましたが、結果は散々でした。

 1957年に「ホースカラー」というニックネームのついた個性的なフロントマスクで登場しましたが、期待に反してそのデザインは受け入れられずフォードの失敗作としてアメリカではとらえられています。後にポンティアックが似たようなデザインで登場するので時期尚早だったのかもしれません。

 おっしゃるようにアメリカ車は時代に流され、忘れられてしまったクルマが数多くあり、その歴史を紐解いてみると面白いものです。

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