三角停止表示板を携行していない人は56%!! 生死にかかわる三角表示板はなぜ標準装備じゃないのか?[復刻・2013年の話題]

三角停止表示板を携行していない人は56%!! 生死にかかわる三角表示板はなぜ標準装備じゃないのか?[復刻・2013年の話題]

 クルマ界のあらゆる不思議に迫ることで一部でカルト的な人気を誇ったかもしれないベストカー本誌企画「不思議でたまらない」。今回は本企画から三角表示板にまつわる「フシギ」を深掘り!(本稿は「ベストカー」2013年12月26日号に掲載した記事の再録版となります)

文:編集部/写真:エーモン工業株式会社(現 株式会社エーモン)/写真提供:JAF

【画像ギャラリー】二次被害当事者が使用していたケースは49件中1件てマジか なぜ三角表示板は標準装備じゃないのか?(9枚)画像ギャラリー

■なぜ、三角表示板は標準装備されないのか?

クルマが故障した時の安全表示の方法
クルマが故障した時の安全表示の方法

 ある読者から、編集部に届いた一通のメール……。

「貴誌(2013年)11月26日号の『事故ってしまったらどうする!?』と題する記事のなかで“三角停止表示板の車内への携行は法律で義務づけられているのに携行していない人が56%いる”という記事がありますが、そうであれば、なぜ標準装備になっていないのか? というところを貴誌は指摘しないのですか?」

 ご意見ありがとうございます!

 こちら、まずはすみません!「三角表示板の車内への携行は法律で義務づけられているという」という記載は弊誌のミスです。正しくは「高速道路で自動車が事故などで停止する時は、三角表示板を設置することは義務」。大変申し訳ございませんでした。

 高速道路利用者のうち、三角表示板を携行している人は全体の44%、事故の二次被害当事者が自ら三角表示板を表示した件数は、2012年のデータで49件中1件(警察庁の最新アンケートより)。数字を見ると、三角表示板の普及率はかなり低い! 

 実際に、高速道路等で故障や事故に遭い、様子を見ようと車外に出たところで後続車に轢かれて亡くなるという事例が多発している。こうした事故で命を失う人は、高速道路上だけでも年間41人にも達しているのだ(平成24年分、警察庁データより)。

 悲劇を繰り返さないためにも、ドライバーは、クルマに三角表示板を搭載すべきなのだ。

 と、いうことで今回は、「なぜ、三角表示板は標準装備されないのか?」を探ってみたい。

■まずは警察に相談だ!

編集部「どうして三角表示板は標準装備が義務化されないんですかねぇ?」

警察「うーん、特に警察としての公式の答えはありません。でも、今電話に出た私の個人的な意見としては、三角表示板は高速道路上で事故が起こらない限り使わないものですし、そもそも一般道しか通らない方にとっては必要ありませんよね。っていうところが三角表示板が標準装備されない理由じゃないかと思います」

編集部「でも、ほら、発煙筒は絶対にクルマに積んでおかなきゃいけないわけじゃないですか! だから、三角表示板も同じように義務化すればいいのではないかと思うんですよ!」

警察「そもそも発煙筒は道路運送車両法に装備が義務化されている旨が書かれています。発煙筒がないと車検に通りません。三角表示板に関することは道路交通法上*で決められています。そもそも適用される法律が異なります」

*三角表示板については、「道路交通法施行規則 第二章の六 停止表示機材の基準」として記されている。

編集部「道路運送車両法と道路交通法の違いを詳しく教えてください」

警察「道路運送車両法はクルマの構造に関するルールで、道路交通法は通り方に関するルールです」

編集部「よくわかりました。道路交通法で三角表示板の車内搭載が義務化されるっていう話はないんですかねぇ?」

警察「聞いたことがないです。でも、道路交通法は毎年のようにコロコロと内容が変わるので、もしかしたら三角表示板の標準装備の義務化についても、ルールになる可能性はありますよ」

*     *     *

 例えば下の写真を見てほしい。夜間の高速道路の路肩に車両を駐車、三角表示板を置いた場合と置かない場合の、見え方の違いを比較した。やっぱり三角表示板がある方が、車両に気付きやすい。

路肩にクルマを置き、車両の50m後方に三角表示板を置いた
路肩にクルマを置き、車両の50m後方に三角表示板を置いた
走行車線を時速80kmでモニター車両が走って視認性を確認!
走行車線を時速80kmでモニター車両が走って視認性を確認!
夜の高速道路でクルマが停止。三角表示板がないとほとんど何も見えない!
夜の高速道路でクルマが停止。三角表示板がないとほとんど何も見えない!
三角表示板があればドライバーに注意喚起が可能! ちなみにこのクルマ自体は無灯火状態である
三角表示板があればドライバーに注意喚起が可能! ちなみにこのクルマ自体は無灯火状態である

 また、昼間に高速道路の路肩へ停止車両を、その後方50mに三角表示板を置いた場合と置かない場合、両方のシチュエーションを作り、年齢の異なる3人のモニターに時速80kmで走行車線を走り見え方の違いを確認してもらった。

 こちらも、三角表示板がある方がかなり早めに停止車両を発見できるという結果がでた。

 やっぱり、三角表示板はかなり効果が高いようだ。

 自動車を運転する以上、道路上ではある程度、自己責任で安全確保を行う必要がある。今まで三角表示板にお世話になったことがないという人も、この機会にもう一度、使い方を見直してみよう。

次ページは : ■備えあればうれいなし! 三角停止表示板を買おう!

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