忘れ去られてしまったが…おじさんが若かりし頃に[琴線に触れたクルマ]4選

忘れ去られてしまったが…おじさんが若かりし頃に[琴線に触れたクルマ]4選

 国産初の“山羽式蒸気自動車”が誕生して120年。今日まで数えきれないほどの国産車が誕生したが、なかには人々の記憶に薄いものも……。今回はそんなちょっと残念、でもおじさん的には魅力的だったクルマを紹介。

文/山口卓也、写真/日産、ホンダ、マツダ、CarsWp.com

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日米合作のクロスオーバーSUV「トヨタ・ヴォルツ」

忘れ去られてしまったが…おじさんが若かりし頃に[琴線に触れたクルマ]4選
トヨタとゼネラルモーターズ(GM)共同で企画・デザインされたヴォルツ。米国NUMMIにて生産されて輸入されるという逆輸入モデルとしても注目を集めた

 2002年8月に登場したヴォルツは、トヨタとGMの共同企画・デザインのクロスオーバーSUV。

 3ナンバーのワイドボディ&トレッド、17インチの大径タイヤ、フロントからリアにつながる張り出したホイールアーチ、Vラインを基調としたアメ車テイストな押し出し感の強いフロントフェイスなどがアクティブなイメージを表現。

 見た目だけではなく、6:4分割の可倒式リアシートはワンタッチでフルフラットなデッキスペースを生み、乗車人数や積載物の量・大きさ、アクティビティに応じてフレキシブルに対応するなど、使い勝手も良い。

 樹脂製デッキにはアウトドアグッズを気兼ねなく載せられ、フロアフックなどを装着できるフロアレールも装備。バックドアのガラスハッチは、狭い場所での荷物の出し入れに重宝した。

 190psを発揮する2ZZ-GEエンジンと、132/125psを発揮する1ZZ-FEエンジンを搭載し、フルタイム4WDとFF、4ATと6MTも用意された。

 しかし、国産車らしからぬデザインやプラスチッキーな内装デザイン、そしてクロスオーバーSUVの魅力が当時はあまり理解されていなかったこともあって販売は低迷。

 新車登録台数の累計は1万台に満たないという希少車となってしまった。

 アウトドアスポーツが日常となり、アクティブなライフスタイルを送る人の多い現代であれば、もっと人気を博したはず……。

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1120台のみ生産された超希少車「日産・シルビア ヴァリエッタ」

 1999年デビューのS15型7代目シルビアは走り屋御用達マシンとして人気を博した。

 そのスペックSをベースに電動メタルオープンルーフを採用したクーペ・コンバーチブルモデルとして登場したのが、1999年の東京モーターショーに参考出品されたシルビア ヴァリエッタだ。

 このモデルは企画・設計・試作などをオーテックジャパンが手がけ、生産は高田工業が担った。

 当初、市販化は計画されていなかったというが、大きな注目を浴びたこともあって量産化が決定。2000年7月に販売が開始された。

 エンジンはナチュラルなドライビングフィールが人気だった自然吸気のSR20DEを搭載。

 アイコンである電動メタルオープンルーフは操作方法のシンプルさも魅力。当時はメルセデスSLKにも採用されたシステムで、オープン→クローズは20秒ほどで完了。

 オープンボディによるボディ剛性の低下を考慮して、ベース車比で約130kgもの補強を各部に施してあるためとNAエンジンとの組み合わせで、乗り味はゆったりとしたものだった。

 ヤンチャ過ぎないエンジンを装備し、メタルトップを閉めたクローズドボディも派手すぎず、「おじさんとなった今なら似合いそうな気が……」と思わせるクルマ。

 今見ても「美しいクルマ」と思えるが、S15型シルビア・スペックSの5速MTが177万円、ターボモデルのスペックRの6速MTは239万円(ともに税込)だったのに対し、ヴァリエッタは5速MTが279万8000円、4速ATが289万5000円と、高額だった。

 価格の問題もあったが、高田工業側で量産体制を続けることが難しいという問題もあり、結果的に、2002年、1120台を世に送り出したところで生産終了となってしまった。

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