“贅沢”に作られた高級ステーションワゴン「ホンダ・アヴァンシア」
当時、ホンダにはオデッセイやステップワゴンなどの快適なミニバンがラインナップしていたが、アヴァンシアはそれらとは一線を画す、ワンランク上の贅沢ステーションワゴンとして1999年9月に誕生した。
この“贅沢”という言葉は、高級素材を多用する“高級車”というよりは、すべてのパッセンジャーがリラックスできる余裕ある空間作りを追求したという意味合いが強い。
ただ広いといった実用性ばかりを追い求めるのではなく、快適な空間の中でゆったりとした時間を過ごすための空間=贅沢空間作りを目指していたのだ。
具体的には、前席だけではなく、後席も大人がゆったりと脚を組めるほど余裕があることは当然。
それに加えて、前・後席それぞれに独立したエアコンアウトレットを設け、シートはスライド&リクライニング機能を、内装各部は温もりを感じさせるファブリック素材に、ドア内側には上質さを醸す木目調パネルを採用するなど、心身ともに快適に過ごせる工夫が盛りだくさん。
パワーユニットには2.3リッターの直列4気筒(150ps)と3リッターのV型6気筒(215ps)が用意されたが、アヴァンシアのコンセプト的にはシルキーなV6エンジンがハマっていた。
ワゴン=実用車というイメージを大きく変えたリムジンのようなアヴァンシアは、落ち着いたおじさんが乗る上質なステーションワゴンのイメージ。
しかし、商業的な成功を収めることは叶わず……。2003年、次の代にバトンを渡すことなく生産終了となった。
当時のユーザーにこの魅力が伝わらなかったのは残念だが、高級ワンボックスカー流行りの現代なら、このクルマの魅力をわかってもらえる人は多いのでは?
【画像ギャラリー】いろんな意味で爪痕は残したクルマたち(14枚)画像ギャラリー優美で伸びやかなデザインのスペシャルティカー「マツダ・MX-6(2代目)」
MX-6は1987年に初代GD型が誕生したが、おじさんの琴線に触れたのは1992年登場の2代目GE型。
カペラの後継として登場した4ドアセダンのクロノスとシャシーを共用するが、初代やベースとなったクロノスとはまったく異なる柔らかな曲線デザインが特徴。
3ナンバーのワイドボディながら、優美なデザインによっていかつさやヤンチャさなど微塵も感じさせないオトナなデザインに、エンジンはV6のみで2.5リッター版では200psを発揮。
内装はブラックで華美な装飾はいっさいないが、曲線を多用したインパネは柔らかく包み込むように前席2名のためだけの空間作りに徹している。
また、当時は他社も多くの車種に採用していた4WS(四輪操舵)を採用。
時速35km以下では前輪・後輪は逆方向へ動き、35km以上では同方向に操舵する。これによって小回りが得意ながらもオンザレールなハンドリングも魅力だった。
また、電動ミラー、電動ウィンドウ、自動ドアロック、電動サンルーフ、クルーズコントロールなどの標準装備も充実。
しかし、「クロノスの悲劇」などと揶揄されるようにセールス的には大失敗。マツダの黒歴史を象徴する1台となってしまった。
なんだかやたらとカドの立ったデザインのクルマが多い現代、MX-6を今見るとむしろ「新しい」もしくは「老けないなぁ……」な印象なのである。
……というわけで今回は4台を紹介したが、どのクルマも他の国産車ではあまり見ないデザイン、コンセプトだったため、一方では「珍車」「マイナー車」などと揶揄される存在だったともいえる。
でも、今こうして改めて見ると「今もすごく魅力的!」と思えるクルマばかりだなと思うのだ。
【画像ギャラリー】いろんな意味で爪痕は残したクルマたち(14枚)画像ギャラリー![忘れ去られてしまったが…おじさんが若かりし頃に[琴線に触れたクルマ]4選](https://img.bestcarweb.jp/wp-content/uploads/2025/02/12103049/am199909_avcr02_01001H-600x274.jpg)














コメント
コメントの使い方アヴァンシアは世に出るのが早すぎた、今の日本人にはこのクルマは理解できないだろう。発売当時そんなことを仰っていたのが徳大寺有恒さんでした
ヴォルツは当時も今見てもカッコ悪すぎだし、屋根開きのシルビアは高すぎて売れなかった単なる希少車。高田の架装なのでおそらくは錆びて残存数はだいぶ減っていると思われるし。アヴァンシアはカッコ以外で背の低いオデッセイを選ぶ理由が無かった。MX-6?忘れてました。琴線どころか記憶の彼方。
アコードエアロデッキがヤングに人気沸騰中だったから、今風エアロデッキに仕立てて出したって聞いたけど?
わざわざ“オジサン”と付けるあたりが厭らしい ね、まぁ 現役の“オジサン”以上でなければ知らンだろー車種ばッかだけど