目標に限りなく遠い!? [水素車]が普及しないワケ

目標に限りなく遠い!? [水素車]が普及しないワケ

 カーボンニュートラル実現に向けて、クルマの電動化や水素燃料電池車の普及目標が日本国内でも少し前から掲げられている。が、これらクルマの環境対応に関する目標達成具合は現状、どんなものなのか? 以下の主な項目を調べると……。

※本稿は2025年1月のものです
文:大音安弘/写真:トヨタ、日産、ホンダ、テスラ、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2025年2月10日号

HVが中心になるが電動車の販売台数は拡大。クラウンシリーズもすべて電動車だ
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電動化率の現状は?

HVが中心になるが電動車の販売台数は拡大。クラウンシリーズもすべて電動車だ
HVが中心になるが電動車の販売台数は拡大。クラウンシリーズもすべて電動車だ

 政府は、2035年までに乗用車の新車販売をすべて電動車とする目標を掲げる。現状の割合は登録車の場合(輸入車含)、2023年が62%で、2024年は11月末まででは67%に拡大。もちろん、主役はHVであり、全体の9割を超える。輸入車もMHVが増加し、50%弱が電動車だ。

 乗用PHEVの割合は、輸入車含め、2023年が1.8%、2024年11月末までで2.2%と微増している。

 2025年も、電動車の主役はHVで変わりはなく、電動車全体では、割合が緩やかに上昇していくだろう。

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EV販売台数の現状は?

EVは軽のサクラを中心に保有台数が拡大。今後はN-VAN e:の売れゆきも注目
EVは軽のサクラを中心に保有台数が拡大。今後はN-VAN e:の売れゆきも注目

 日本の商用も含むEVの保有台数は、2023年度のデータで約30万台と、PHEVの約25万台を上回る。それには、日産 サクラの貢献が大きい。2022年と2023年で計5.9万台も販売しているのだ。

 一方、乗用の登録車では、急速にEVを拡大させた輸入車が主役。2024年11月までの年間新車販売台数は、国産車が889台、輸入車が2148台と大きな差がある。

 ただ乗用の登録車全体で見た割合は1.4%に過ぎず、販売も2024年より減少傾向だ。2025年もEVには厳しい年となりそうだ。

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水素車&水素ステーションの現状は?

ホンダCR-V e:FCEVは2024年7月登場。水素ステーションの普及はいまひとつだ
ホンダCR-V e:FCEVは2024年7月登場。水素ステーションの普及はいまひとつだ

 2024年は、ホンダの新CR-VのFCV導入があったが、それでもほとんど売れていないのが、FCVの現状だ。2023年の乗用車の新車販売は、登録ベースで95台に留まる。2024年は、それさえ大きく下回る見込みだ。

 普及が進まない背景には、高価格に加え、水素ステーションの少なさがある。全国で154カ所に留まり、半数が、関東と中部に集中。存在しない県が8つもある。

 政府は2025年度までに320カ所とする目標を定めていたが、遠く及んでいないのが現実だ。

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充電スポット数の現状は?

EV充電スポットの数は増加傾向にあるが、必要な場所に必要な数は足りていない?
EV充電スポットの数は増加傾向にあるが、必要な場所に必要な数は足りていない?

 EV普及を支える充電スポットだが、EV充電情報サイト「GoGoEV」の調査では、2024年11月末時点で全国に2万3686拠点がある。急速及び普通充電器ともに拡大傾向にあるのは、EV充電インフラビジネスが盛り上がりを見せているためだ。

 さらに一部の輸入車では、独自の急速充電施設を拡大中。すでにテスラは100カ所を超え、さらに拡大中。2025年にはアウディが東京・芝公園に、ベンツも今後2年間で、25カ所の施設を開設する計画だ。

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