結局どっちがいいの!? 同じハイブリッドに[ストロング]と[マイルド]があるのはなんで?

結局どっちがいいの!? 同じハイブリッドに[ストロング]と[マイルド]があるのはなんで?

 「ハイブリッド」はクルマ以外でもよく耳にする単語。クルマの世界では2つ以上の動力(ガソリンエンジンなどと電気モーター)を持つクルマを指すが、そのハイブリッド車のなかにもいろいろな種類があるのだ。

文/山口卓也、写真/スズキ、スバル、トヨタ、ホンダ、BMW JAPAN

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トヨタ・プリウスが開いたハイブリッド車の世界

ややこしい!! [ストロングとマイルドハイブリッド]、結局どっちがいいの!? 
1997年にトヨタが発売したプリウスは世界初の量産ハイブリッド車。これ以降、世界中のメーカーから続々とハイブリット車がリリースされた

 「21世紀に間に合いました」をキャッチコピーに、1997年にトヨタがプリウスを発表。“プリウス”は、ラテン語で「〜に先駆けて」「〜に先立って」を意味し、地球の未来を築いていくクルマとして名づけられた。

 プリウスはガソリンエンジンと電動モーターを組み合わせたハイブリッド車。

 これに新駆動システムTHS(トヨタハイブリッドシステム)を組み合わせ、ガソリン車に劣らない走行性能を確保しつつリッター28kmという超低燃費を実現。

 従来のガソリンAT車の約2倍という驚くべき燃費性能を実現したのだった。

 初代プリウス発表から28年が経ち、今やハイブリッド車(Hybrid Electric Vehicle=HEVもしくはHV)は一般に知られる単語となったが、“マイルドハイブリッド”や“ストロングハイブリッド”などフツーの人なら「??」となるような単語も耳にするようになった。

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EVとBEVは同じ? 違う?

 クルマ好きからすれば「何を今さら」かもしれないが、EV(Electric Vehicle)、BEV(Battery Electric Vehicle)、HEV(Hybrid Electric Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)などの単語を混同している人、そもそもそれらが何のことだかわからない人はいると思うので少し説明を。

 EVとは電気を使ってモーターを駆動させて動くクルマ全般のこと。つまり、本来は電気を使って動くすべての種類のクルマのこと。

 ガソリンなど他の燃料を併用しているようなHEVもPHEVも電気を使っているから広義ではEVなのだ。

 近年では電気を使って走るクルマの種類が多様化してきたため、100%電気の力だけで走るクルマをあえて「BEV」と呼ぶようにはなってきている。

 しかし、一般的には“電気のみ”を使って動くクルマをEVと呼んでいることも多いので少しややこしい。

 さらに、HVとHEVは短縮形が違うだけでまったく同じ意味で使われるのでさらにややこしい……(笑)。

 ちなみに初代プリウスを発表したこのジャンルの先駆者トヨタは、2021年3月期の決算説明会でこれらの呼称を変更した。

 HVは“HEV”に、100%電気だけで動くEVはBatteryのBを付けた“BEV”、PHVは“PHEV”と表記するようになっている。

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お財布の紐を締めたいならマイルドハイブリッドか?

 マイルドハイブリッドとストロングハイブリッドの違いは、簡単に言えば、出力が控えめ(マイルド)なモーターを補助的に使うのが「マイルドハイブリッド」、これに対して高出力なモーター(ストロング)を使ってモーターのみでも走れるのが「ストロングハイブリッド」と呼ばれる。

 まずはマイルドハイブリッドを解説していこう。

 エンジンをメインとして使い、出力が控えめなモーターを“補助的に”使うモデルとして、日産・ルークス、スズキ・スペーシアギア、スイフトスポーツ、ハスラー、BMW・1シリーズなどがある。

 「出力が控えめなモーター」は、本来はエンジン始動とバッテリー充電に使う電動モーターをさらに強化して使っているわけだ。

 このシステムの利点は、既存のエンジンに少し手を加えるだけで作れることと、スペースを大きく占有しないので車内スペースをほぼ犠牲にしないで済むこと。

 つまり、マイルドハイブリッドの最大のメリットは、既存モデルにあまり手を加えることなく、結果として車両価格を抑えられること。

 ただし、マイルドハイブリッドは、一般的にアクセルオフ時と低速時以外はエンジンを止めてモーターだけの力で走ることはできない。

 「だったらストロングハイブリッドのほうがイイ!」と思えるかもしれないが、ストロングハイブリッドと比べて数十万円は安く、通常のガソリンモデルと比較しても10万円程度高いだけのモデルもある。

 これで10数%程度の燃費向上効果も期待できるのがメリットではないだろうか。

 車両価格が抑えられるので、大幅な価格上昇では販売台数が見込めない軽自動車やコンパクトカーに多く搭載されるが、元々燃費のいいジャンルだけに、燃費向上効果は薄い……と言われることもある。

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