2025年からトヨタが紙カタログを廃止する。これにより今まで商談のお供であったカタログが机上から姿を消すのは少し寂しい。ただ、紙カタログの代わりに登場したWEBカタログは紙に負けない魅力を持っていた。これからたっぷり触れるWEBカタログは、紙カタログよりも充実の内容だったぞ。
文/佐々木 亘:写真ベストカーWeb編集部・AdobeStock
【画像ギャラリー】WEBカタログの情報量半端ねぇ!! これなら新型アル/ヴェルの情報も隈なく見れる!!(18枚)画像ギャラリー環境のために紙を廃止するトヨタ
来年1月から、全国のトヨタ販売店ではスマートカタログの運用が始まる。SDGsやカーボンニュートラルへの取り組みの一環だ。
紙のカタログを生産しないことで、7,000トンもの紙資源の削減が可能となる。また、生産工程や輸送、保管、廃棄における二酸化炭素排出削減効果は、年間約1.1万トンにものぼるというのだ。地球環境のためにも、スマートカタログへの移行には私たちも理解を示さねばなるまい。
今後、紙カタログを手に取ってじっくりと読むことはできなくなるが、何も読み物が無くなるわけではないのだ。WEBカタログを見てみると、紙カタログ以上に読み応えのあることに気づかされる。
PDFで提供されるカタログは「いつでも」「どこでも」見られる
紙カタログ廃止で、紙をめくる動きは無くなるが、タブレット端末などで楽しめば、カタログを手に取っている感覚は残るはず。それに、WEBカタログは紙カタログよりもボリューミーである。
例えばノアの場合、紙カタログのページ数は51。対してWEBカタログのPDF枚数は60になっている。これまでカタログの見開き2ページ分の内容が、PDFでは1枚になっており、掲載内容は2倍近くに増えているのだ。
また、WEBカタログでは所々にタップ(もしくはクリック)できる箇所があり、そこをタップすると、トヨタYouTubeショールームに繋がり、動画でもクルマのデザインや内装を楽しむことができるようになっている。
これまで紙カタログではわかりにくかった、メーターの表示や動きなども、動画で手に取るように分かるのは嬉しい。
また、機能が分かりにくいトヨタセーフティセンスも、各種機能の実際の動きを動画でサポートしてくれる。どの機能が自分に必要で、どれが不要になるのかということも、カタログを見るだけで判断しやすい。
これまで営業マンに聞いていたポイントが、ほとんど動画で説明されており、電話で聞いたりショールームに足を運んだりして確認するという手間も省けるようになった。商品を販売する営業マンには、WEBカタログ以上の商品知識を身につけなければならないという、プレッシャーもかかりそうだ。
少し前のWEBカタログの仕様をぜひ復活させて!
筆者は、トヨタのホームページで、WEBカタログを見られるようになってからは、紙とWEBの両方を読み込むようにしている。この作業の中で見つけた最高のWEBカタログが、2023年のノア(フルモデルチェンジ時)のものだ。
これは、通常の紙カタログと同じ内容が掲載された後に、「NOAH VOXY More Information」というページがスタートするものだった。More Informationの中身は、デザインの訴求ポイントや先代との違い、新規採用パーツや技術の詳細な説明など多岐にわたる。
内容は販売店スタッフ向けのスタッフマニュアルに近いものであり、紙カタログを見ているだけでは絶対にわからないポイントが、数多く説明されていたのだ。
現在のWEBカタログからは、このMore Informationが消えてしまっているのだが、クルマ好きにとってはかなり面白い内容だったので、ぜひ復活してほしい。(ノアフルモデルチェンジ時のWEBカタログは、こうした追加内容の記載もあり、PDFページ数が204という大ボリュームだ。)
印刷・製本やコストの兼ね合いで、紙カタログでは掲載できなかった内容を見られるのは、WEBカタログならではの魅力であろう。トヨタさん、読み応え抜群のWEBカタログを、これからもドンドン作ってください!
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