本誌『ベストカー』にて、クルマにまつわる変わったもの、見慣れないものを取材する連載企画『これは珍なり(略して『これ珍』)』。数ある企画の中から、2013年7月10日号に引き続き、官公庁のクルマオークションの話題をプレイバック!(本稿は「ベストカー」2014年3月10日号に掲載した記事の再録版となります)
文:ベストカー編集部
■今や珍車の宝庫!? 官公庁オークションで掘り出し物カーを探し出せ!
官公庁オークションに出品されているさまざまな公有財産。
自治体からは未利用の不動産や不要品などの物品のほか、公用車もオークションの対象となるのだが、その公用車などのなかにはよく見てみるといろいろと珍しいクルマが出品されているケースがあるのだ。
ということで、今回は最新官公庁オークションの熱い珍車セレクションをお届けしよう。
そもそも官公庁オークションは、公売や公有財産の売却など各行政機関による行政手続きの一部をネット上でオークションを使って行うもの。
東京都の提案によって開発がスタートされ、2004年7月に第1回オークションが開催。以来、国税庁や各都道府県の自治体など800団体以上が出品している。
で、その対象となるのは主に税金などの滞納者から差し押さえた財産。純然たる公有車だけでなく、こうした差し押さえによるクルマもあるってワケだ。オークションによって成立した落札金額は滞納者の未納税金などに充てられる。
ちなみにクルマでは2008年度に落札された茨城県高萩市の大型バス(見積額440万円)が1005万円で売却されたのが最高額。動産では広島県の元漁業取締船しおかぜ(20.5t、予定価格210万円)が1700万円で売却された例もあるようだ。
今回、ここで紹介したいのはトヨタメガクルーザー。1996年に登場した陸上自衛隊用の高機動車の民生バージョンである通称「和製ハマー」だ。
価格は962万円と当時の日本車の最高価格に近く(ほぼNSXと同価格帯)、2001年8月に生産終了した後も政府機関や自治体からまとまった注文があれば今なお生産されているというから驚き。
出品されているのは岐阜県が防災車両として活用していたクルマで、1997年9月登録の走行距離たったの3万4497kmというタマだ。
今年(2014年)1月24日には岐阜県庁正面玄関横で下見会が午前と午後の2回開催されたというので、さっそく岐阜県危機管理部門防災課に話を聞いてみた。
「午前と午後の2回の下見会に50人以上の方がいらっしゃいましたね。試乗などは下見会ではできないんですが、皆さん熱心に外装や内装のコンディションをチェックされてましたね。
ほかにもNOx・PM対策地域内でも使えるのかとか、タイヤの空気圧調整装置はついているのか、入札保証金やクレジットカードでの納付について問い合わせをいただきました。やはり珍しいクルマだということで注目を集めたのかもしれませんね」(同課防災企画係)
とのことだった。
実はこのメガクルーザー、岐阜県が防災用務に使っていた当時は赤色灯やサーチライト、防災無線などを装着していたそうだ。
マニアならばこちらの装備も付けていたまま欲しかったのかもしれないが、残念ながらこうした装備品はすべて取り外しての出品となったそう。
ほかにも珍車がいろいろと出品されていたので、ほんの一例を画像ギャラリーでご紹介している。
ここで紹介したオークションのクルマはすべて今年(2014年)2月5日(水)までに申し込みを締め切っているのだが、いつどんなレアカーが出てくるのかわからないのが官公庁オークションの醍醐味だ。
気になった人は官公庁オークションウェブ(https://kankocho.jp/ ※当時のURLから修正しています)をチェックしてみよう!
(写真、内容はすべて『ベストカー』本誌掲載時のものですが、必要に応じて注釈等を加えている場合があります)
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