電動のスカイモビリティといえば、日本では「空飛ぶクルマ」ことeVTOLが有名だが、「eCTOL」というのをご存知だろうか。滑走路を必要とする代わりにeVTOLよりも積載量が多いというこのeCTOL、貨物輸送の実証実験が開始されるという!!
※本稿は2025年2月のものです
文:角田伸幸/写真:双日、SkyDrive、トヨタ Adobe Stock(Adobe Stock@t_kuma)ほか
初出:『ベストカー』2025年3月10日号
短距離はeVTOL……中距離は「eCTOL」!?
電動の航空機といえば、空飛ぶタクシー(eVTOL)が引っ張りだこだが、ほかにも仲間はいる。その代表格が、固定翼機の動力をモーターに置き換えたeCTOL(エレクトリック・コンベンショナル・テイクオフ&ランディング・プレーン)だ。
このeCTOLは滑走路を必要とする代わりに固定翼の揚力が利用でき、eVTOLよりも多くの人やモノを遠くまで届けられる。もちろんCO2排出量も減らせるし、ヘリや軽飛行機に比べてエネルギーコストが安い点もメリットだ。
そこで商社の双日と物流のヤマトホールディングスが、eCTOLを使った貨物輸送の実証実験を九州で始めることになった。
ルートだが、北九州空港と宮崎空港間を往復するという。使われるのは双日が出資する米ベータテクノロジーズの「アリアCTOL」という機体だが、積載量560kg超、航続距離400km超というから心強い。
将来的に物流は、長距離がSAFを使う大型機、中距離をこのeCTOL、そして短距離がeVTOLになると思われる。飛行機の進化も、目が離せないぞ。
※SAF=Sustainable Aviation Fuel。持続可能な航空燃料
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