2024年の国内乗用車ランキングにおいて、1位のトヨタ「カローラ」(16万6955台)と僅差で2位(16万6162台)となったトヨタ「ヤリス」シリーズ。その立役者となったのが、コンパクトSUVの「ヤリスクロス」(8万770台)だ。
2020年の登場から5年が経過しても、いまなお勢いが衰えないヤリスクロス。好調の源はどこにあるのか、王者の実力と人気の理由について分析しよう。
文:吉川賢一/写真:TOYOTA
【画像ギャラリー】ヤリスクロスの高級仕様!?? ヤリスクロスの特別仕様車「ウルバーノ」(11枚)画像ギャラリー全方位で優れる、究極のコンパクトSUV
フロントフェイスやリアスタイルは欧州車チックでありながら、ワイドフェンダーからこぼれ見える大径ホイール&タイヤによって、質実剛健で力強いデザインのヤリスクロス。デザイン買いした人も少なくないだろうが、ヤリスクロスの最大の魅力はコスパのよさだろう。
ガソリン車は税込204万円(X/2WD)、ハイブリッド車は243万円(ハイブリッドX/2WD)という価格は、他社のコンパクトSUVを圧倒している。価格だけを求めれば、ライズ(税込180万円~)のほうが安いが、走りの質感はヤリスクロスが圧倒している。優れた走りとコストを両立していることがヤリスクロスの凄いところだ。
また、ガソリン車で19.8km/L、ハイブリッド車で30.8km/L(どちらもWLTCモード)という超低燃費も素晴らしい。ハイブリッド車は、実燃費でも20km/Lを余裕で超えてくる。これほど低燃費を達成できるのは、効率のいい1.5L直3エンジンとモーターのTHS-IIの効果に加えて、コンパクトで軽量であるからだろう。やはり、軽いことはクルマにとって正義だ。
全長4.2mほどの小さなサイズだが、ハッチバックのヤリスよりも荷室が広いし、シートのヒップポイントも高いので、「よいしょ」と腰を落として乗り込む必要がなく、降車もラク。運転席からの視界もよく、小柄な人でも運転がしやすい。
選択肢が多いのもうれしいポイントだ。ガソリンモデルもしっかりと用意され、ガソリンとハイブリッドそれぞれにFFと4WDを設定するなど、ユーザーが使い方で選ぶことができる。手堅いラインナップを揃えているあたりは、さすがトヨタだ。
インテリアも「これで十分」では??
またヤリスクロスは標準装備品が充実している点も魅力だ。スマホとの相性がいいディスプレイオーディオ(8インチサイズ)が標準装備となるし、レーダークルーズコントロールやレーントレーシングアシストといった、便利な先進支援機能も標準装備されている。細かいところだが、ステアリングホイールにチルト&テレスコピックがあるのも嬉しいポイント。特にディスプレイオーディオは、高額なカーナビを装備しなくても済む上に、スマホで検索した経路をプラグインすることですぐにディスプレイに投影でき、非常に便利だ。
ヤリスクロスについては、プラスチック多めのインテリアについての不満をよく目にするが、ヤリスクロスが200~300万円程のクラスの小型車であることを考えれば、これで十分だと筆者は思う。質感を求めるなら、2025年2月に追加となったヤリスクロスZウルバーノのように、専用ボディパーツや専用塗装のホイール、専用フェンダーエンブレムのほか、インテリアにも専用ステアリングエンブレムやフロアマット、プロジェクションイルミネーションなど、特別仕様車向けのディーラーオプション品を選べば、質感を高めることができる。
コメント
コメントの使い方後期高齢者の私が、街乗りメインで選んだ ❛ヤリスクロス❜ 代替前の車も、安全運転補助機能フル装備だったが、ヤリスクロスの安全運転補助機能は更にアップグレードされており、高齢者の事故防止に限り無く貢献していると思う