ついに日本にも登場した改良型トヨタ GRカローラ。同じくGRモデルで、改良済みのGRヤリスがあるが、同じGRでも開発チームが違う。じゃあここは互いにバチバチやっていただきましょうということで、GRカローラ vs GRヤリスの雪上比較を行った!!
※本稿は2025年2月のものです
文:国沢光宏/写真:トヨタ、Gazoo Racing、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2025年3月26日号
禁断の(!?)GR対決
いやいや興味深い! 今やモータースポーツにも使える“武闘派”のクルマを作っているのはトヨタだけになってしまった。GRヤリスにライバルはなく、一人勝ちと言ってよい状況だったように思う。
そんななか、2023年にGRカローラが出てきた。当初はカローラにGRヤリス用のエンジンを搭載したスポーツモデルという位置づけと考えられていたが、サーキットやワインディングで走らせてみたら予想していたより速い!
こうなると「じゃ試してみようか!」となるのが今のトヨタの面白いところ。昨シーズンはラリー仕様を作って参戦したところ、グラベルのラリーカムイでGRヤリスより速く、クラス優勝してしまった。
GRカローラの開発チームは大盛り上がり! 当然ながら「もっと強いクルマにしよう」となる。1年目は締結ボルトの強化だけだったけれど、今回の改良を見たらサスペンションの取り付け位置まで変更してきた。
改良の目的は「過渡特性の改善」である。滑りやすい雪道を歩く時は、人間もそっと着地し、徐々に荷重をかけていく。クルマも同じで接地荷重は少しずつかけていったほうがコントローラブルだし扱いやすくなる。
GRヤリスよりホイールベースが長いGRカローラは、基本的に穏やかな特性を持つが(だからこそ車重が200kg重いのにグラベルで速い)、その特性をさらに追求してきた。いいクルマ作りの王道だ。
実は2024年も雪道試乗で「GRカローラはコントロールしやすい!」と評価されていたが、今回の改良で一段と穏やかな挙動になっていた。
試乗コースとして用意された雪道は、けっこう滑りやすいコンディションだったものの、ステアリング操作とサイドブレーキとアクセル操作で自由自在に振り回せる! テールを滑らせてもしっかりコントロールできるのだった。コントロールできればアクセルを踏めるので、結果的に楽しくて速い。
同じGRモデルながら個性が違い面白い
GRカローラの開発目標にされた(笑)GRヤリスにも試乗した。200kg軽いボディを活かせば、やはり高いポテンシャルを持つ。ただある程度のテクニックを必要とし、ナメてかかるとコントロールできなくなってしまう。
今までライバルが存在しなかったGRヤリスだが、ここにきてGRカローラから強烈なプレッシャーをかけられるという状況。こうなると同じGRながら違うメンバーが開発しているため、お互い負けたくない。
かくしてGRヤリスの開発チームにも火がついた! GRカローラの優れた部分(コントロール性の高さ)をGRヤリスで実現しようとしている。そうなれば200kgの重量差があるため圧倒的に優位。
一方、GRカローラの開発チームは軽量化などしてGRヤリスより速いクルマを作ろうとしている。ランエボvsインプレッサみたいな戦いが始まろうとしているのか!?
クルマ好きにとっちゃ大歓迎。どちらも激しく戦ってほしい!



























コメント
コメントの使い方それぞれ開発チームが違うなんて知りませんでした。
ここにスバルが加わっていない事が悲しくてなりませんが、
そう羨む気持ちが出るくらい、バチバチにやり合う二頭というのは、熱く、技術や性能を高め合える関係です。
エボがあれほど優秀で扱いやすく実際速くなければ、WRXも歴代のレベルになることは無かったでしょう。今の腑抜けたSTiみててもそれは明らかです。
そんな凌ぎ合いをブランド内でやれるトヨタ・・・。