羽田空港の駐車場混雑がひどいというニュースは過去にもお伝えしたが、国土交通省が対策に乗り出した。その中身はまさかの料金値上げ! 短時間駐車を割り引き、宿泊利用は料金を高くするというのだ。バスや電車が使えない早朝や深夜便を使う人はどうするのよ~!
文:ベストカーWeb編集部/写真:Adobestock、東京タクシーセンター、ベストカーWeb編集部
早ければお盆前に駐車料金が高くなる!?
ゴールデンウィークに羽田空港を利用するという人は多いはず。「クルマで行く」という人は、駐車場確保に十分気を付けたい。コロナ禍以降の羽田駐車場の混雑は半端ないからだ。
国土交通省のデータによれば、2019年度に8%だった駐車場利用率は、2023年度に14%へと増加したという。特にお盆や年末年始は満車率が高く、おおむね朝6時前後にはいっぱいになり、それが夜まで続く状況だ。
この状況を打開しようと、国土交通省も対策に乗り出した。しかしその内容が解せない。羽田空港の駐車場運営者に、料金の値上げを求めたのだ。
同省の見解によれば、値上げによって駐車場満車の主たる要因である「宿泊利用」を抑制し、短時間で済む送迎利用に誘導するのが狙いらしい。前者の料金を割高にして、後者の利用を割り引く制度も導入するようだ。なるべく早い実施を指示したというから、お盆前には値上げされると予想する。
【画像ギャラリー】朝5時台にもう満車!? 羽田空港の混雑ぶりを見て!(8枚)画像ギャラリー臨時駐車場は昼間しか使えず、しかもたった100台!
うーん、無条件には歓迎できない作戦だ。羽田の利用者数は今後も延びていく予想だから、値上げで利用を抑制しようという対策は、遠からず再び頭打ちにならないだろうか。
利用者としてむしろいいたいのは、早朝や深夜の飛行機利用者への対策だ。たとえば筆者は埼玉在住なので、始発電車では朝6時台の飛行機に間に合わない。最寄り駅からは空港バスも出ていないから、利用するには夜明け前に家人の助けが必要になる。結局クルマしか選択肢がないのだ。
もうひとつ、羽田空港は臨時駐車場のキャパシティが小さすぎる。2024年の場合、羽田空港はゴールデンウィークや夏季繁忙期、3連休の週末などに、第1タクシー待機所の一部を使って臨時駐車場を運用してきた。
ところこの臨時駐車場、9:00~17:00しか利用できず(2025年からは8:00~17:00)、宿泊利用対策には用をなさないうえ、たったの100台しか駐められない。ちなみに羽田の第1~第5、すべての駐車場を合わせたキャパシティはおよそ1万3000台だ。
【画像ギャラリー】朝5時台にもう満車!? 羽田空港の混雑ぶりを見て!(8枚)画像ギャラリー宿泊利用向けの別の駐車場を!
中長期的には、羽田には宿泊利用駐車場を別途建設すべきと思うがどうだろう。もはや空港ターミナル直結などという贅沢はいわない。たとえばモノレールの整備場駅や天空橋駅近くにある遊休地を活用して、立体式パーキングを整備してほしい。
土地がないというなら、隣接する羽田イノベーションシティの駐車場を拡張する案はどうか。同地の駐車場は現在270台だが、これを500~800台まで増強できればバッファーとして心強い。空港への移動はモノレールを覚悟するが、巡回バスがあればいうことなしだ。
情報発進も強化する必要がある。ネットによるリアルタイム混雑情報はさらに充実させ、駐車場が満杯の際にどうすればいいのかという誘導を、地方から来る人にもわかりやすく案内してほしい。値上げを言い出すのはそれからだ。
「国内線駐車場が満杯の際は国際線駐車場、それがだめなら羽田イノベーションシティ、それもだめなら蒲田のコインパーキング……」。こんなアクロバティックな移動を、誰もしたいとは思わない。クルマが駐められず、「飛行機に間に合わないんじゃないか」と胃に穴が開きそうになる事態は、絶対に解消すべきだ。
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コメント
コメントの使い方電車で行くのはだめなんか?
出迎えなどの業者さんの駐車が多く思える。
一般と業者で枠や料金を変えるとか、業者は上層階にして、高く設定するとか、一般人が使いやすくして欲しい。
ハード増強は必須、ソフト面も料金などの実行的見直しが急務。
また、どんな使われ方しているかの実態調査もせず対策考えるなど愚の骨頂でしょう。
車しかないって、飛行機の日時をずらすとか自身が時間調整すればいいだけの話じゃない?
地方民から見たらただのワガママ
いやいや、めちゃくちゃ妥当な方法だろ