スマホに搭載されるなど、より身近な存在になろうとしている各種AIだが、トヨタディーラーでは以前からAIを活用した営業活動を行っているという。今後、さらにそのAIの進化版を使い、顧客側にも営業マンにも便利なシステムを構築していくという。
※本稿は2025年3月のものです
文:国沢光宏/写真:AdobeStock(トップ画像=Shuo@AdobeStock)
初出:『ベストカー』2025年4月10日号
ディーラーの営業現場でAIを活用
トヨタはディーラーの営業現場で使っている『ai21』を進化させるという。
そもそもai21って何か? すでにトヨタが導入済みのAIで、その進化型は、
(1)動画を交えた商品説明や割賦商品と組み合わせたお得な買い方の提案
(2)見積書の作成
(3)エアロパーツなどを選択したアクセサリーの装着状態を360度立体的な画像に投影
(4)乗り換え後の維持費のシミュレーション
などができるという。
考えていただきたい。新人の営業マンからすれば、クルマの説明すら苦労する。ユーザーの初歩的な質問であっても、瞬時に答えるにはそれなりの知識や経験が必要だ。
特に最近のクルマはADASに代表される機能が大幅に増えており、手強い。さらに、電気自動車やPHEVなど補助金の申請をしなければならない車種も出てきたため、ベテランですら書類作成でお手上げになりがち。
進化型ai21は、質問を入力すれば的確な説明ができるような「模範解答」などを表示。言葉で説明できないような機能もタブレットなどを使い、動画で疑問に答えられるという寸法。
これで顧客満足度を高め、同時に営業マンの定着率まで上げようということなんだろう。上手に使うことで効果を生むと思う……。
国沢光宏氏が考える「さらに一歩踏み込んだ」AI活用法
ここまでは誰にでも書ける内容。私はさらに一歩踏み込みたい。
トヨタよりAIが必要そうなのが日産だ。というか営業マンに頼らないようにする戦略を進めている。
普通なら営業担当に値引きの権限など与えるけれど、とある日産の販社など見ると「くじ引きで当たれば値引き!」。
こんなことをやっていたら優れた営業マンはやっていられない。だったら営業マンを廃し、AIにやってもらえばいいと思う。お客は自宅で日産にアクセスし、商談を行う。
AIなら商品の説明もバッチリできるし、見積もりなど容易。上手なプログラムを組むことで値引き交渉だってできるだろう。
書類作成はAIの得意技。複雑な補助金申請すら朝飯前。登録業務は委託業者(司法書士)が代行する。店舗は整備とクルマの受け渡し場所として活用すればよかろう。となれば営業経費を大きく減らせます。営業マンの給料がいらなくなる。
そもそも営業マンの採用にだって相当のコストを掛けている。このあたりをバッサリとカットすることにより、AIで買ったクルマは一律10%くらい安くできることだろう。
私なら一瞬も迷わずAIで購入する。AIじゃイヤだという人は店舗に一人くらいずつベテランを配し、その人が担当すればよろしい。日産、ホンキで考えたらいい。
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