マツダ5チャンネル体制時代、主に軽自動車や小型車を扱っていたオートザム店。キャロルやAZ-1といった歴史に名を残すクルマを展開しており世間的にもそのイメージが強いが、実は乗用車も販売がなされていた。
文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】販売面で成功したとは言えないけど名車であることは確か!! AZ-1いつ見ても最高にカッコいいネ(15枚)画像ギャラリー語り継がれる名車がオートザムには多数あった!?
1989年にスタートしたマツダ5チャンネル体制。その中でも軽自動車を含むコンパクトカーを中心としたラインナップの販売店として用意されていたのがオートザム店だった。
そのオートザム店専売モデルとして、アルトのプラットホームを流用しながらも丸型ヘッドライトを備えた可愛らしいルックスが与えられたキャロル(2代目)や、コンパクトカーのレビュースマッシュヒットを記録し、オートザム店を代表するモデルたちとなった。
また軽自動車ながらミッドシップレイアウトでガルウィングを備えたAZ-1も存在し、商業的には成功とは言い難かったものの、今でも語り継がれる名車となっている。
軽自動車やコンパクトカーをメインとしたオートザム店だけに、軽自動車が人気を集めるのは戦略上では成功と言えたのだが、その一方で日陰になってしまったのが普通車のオートザム専売車たちだった。
人気の軽自動車に隠れたオートザム専売モデルたち
AZ-1よりも先に登場したAZ-3は、3カ月ほど先に登場したユーノス プレッソの兄弟車となっていたが、当時の世界最小となる1.8LのV6エンジンを搭載していたプレッソに対し、AZ-3はベーシックな直列4気筒1.5Lエンジンを搭載していたことで地味な存在となってしまった(のちにV6もラインナップ)。
またオートザム店専売のセダンモデルとして投入されたクレフは、カペラの後継車種として投入されたクロノスの兄弟車というメカニズムとなっていた。
ただエクステリアデザインは正統派セダンとは一線を画す、グリルレスで丸形フォグランプが埋め込まれたフロントバンパーを備えるなど、セダンの中心購買層からは離れたデザインが良くも悪くも特徴で、残念ながら全くと言っていいほど人気が出ず、登場からわずか2年半ほどで姿を消してしまったのだった。
このように軽自動車とコンパクトカーをメインとした販売チャンネルが故に不人気車となってしまった専売モデルも存在していたオートザム店だったが、なぜかイタリアのランチアやアウトビアンキも同時に取り扱っていた。
オートザム店のフルラインナップカタログには、キャロルやレビューと並んでランチア テーマやデルタなどが並ぶという混迷を極めたものとなっていたのも“らしさ”だった。



















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