日産を代表するモデルのひとつである「スカイライン」。国内日産に残された唯一のセダンだが、登場からすでに11年、2024年の販売台数は2,000台ちょっとという惨状。数年前に当時の副社長が「日産自動車はスカイラインを決して諦めない」と発言したものの、本当に次期型があるのかと、不安に感じているファンは少なくないだろう。筆者もそのひとりだ。
先日日産は、2025年度から2026年度にかけての、インフィニティと日産両ブランドの新商品と新技術の投入計画を発表、国内においては、新型リーフや第3世代e-POWERを積む新型大型ミニバン、新型の軽自動車を投入するとされていたが、そこに、スカイラインだと思われるモデルに関する記述はなく、国内だけでなく海外の主要市場においても確認できなかった。スカイラインは今後どうなってしまうのだろうか。
文:吉川賢一/写真:NISSAN、吉川賢一
【画像ギャラリー】次期型モデルは2027年に登場か!!? 日産「スカイライン」の現行モデル(13枚)画像ギャラリーQ50は24年モデルで終了、日本のスカイラインもまもなく現行モデルは終了か
2014年に登場した、現行のスカイライン(V37型)。デビュー当初はインフィニティバッヂで登場したり、テールランプが丸目四灯でなかったり、名称もインフィニティスカイラインだったりしたことで、往年のスカイラインファンに叩かれていたが、2019年のビッグマイチェンで生まれ変わり、「スカイラインらしさが帰ってきた」と話題となったモデルだ。
そんな現行型もまもなく生産終了となると思われる。2024年8月にインフィニティが公開した2025年モデルのラインナップに、Q50(日本名スカイライン)の名前がなかったのだ。インフィニティによると、「QX80を皮切りに4つの新商品で車種ラインナップを一新するというコミットメントに基づき、Q50は24年モデル以降、アメリカ、およびカナダでは販売されません。」とのこと。おそらく日本のスカイラインも、そう遠くないうちに現行モデルの終了が発表となるだろう。
ただ、インフィニティは、「Q50のスピリットは、2023年10月にデビューした「Vision Qe」が予告する未来のスポーツセダンEVにも確実に受け継ぐ」ともしており、(どんなかたちにせよ)次期型があるのは間違いなさそう。「Vision Qe」とは、2023年10月に発表されたバッテリーEVのコンセプトカーだ。
ただ、冒頭でも触れたように、2025年度から2026年度にかけての計画に、それらしき姿は確認できなかったことから、次期スカイラインの登場は、早くても2027年度ということになる。

BEVではなく、新型直4エンジン+PHEVでの登場か!??
2027年度に登場と考えると、すでに次期スカイラインの開発はかなり大詰めの段階まで来ているはず。まずエクステリアデザインに関しては、インフィニティが示しているとおり、Vision Qeのデザインが活かされることだろう。
かつて日産グローバル本社ギャラリーに、Vision Qeの実車が展示されていた際に筆者も見に行ったが、Vision Qeの低い全高や、なだらかなルーフラインは、クーペセダンの見本のようなかたちであり、ボディサイズはフーガとスカイラインのちょうど中間、という印象。
また、ライン型のLEDヘッドライトやテールランプ、埋め込みタイプのアウタードアハンドル、立体的なマシンドフィニッシュの大径ロードホイールなど、現行スカイラインよりも遥かにスタイリッシュに感じた。丸目4灯のテールランプは確認できなかったが、V37スカイラインとQ50も、テールランプのデザインは異なるので、国内向けには特別に取り入れる対応をとるのかもしれない。
パワートレインに関しては、Vision Qeと同じならばBEVとなるが、現実的にはハイブリッド専用車となるだろう。筆者は新型直4エンジン+PHEVとなるのではないかと考えている。
コメント
コメントの使い方過去の栄光にすがる年寄りのための車。今とこれからの若い世代に「往年の名車」は通用しない。
日本人がスカイラインというスポーティーセダンを理解していないということ。ミニバン、SUVの台頭が原因でもある。外野がいつまでも直6、MT、丸テールに拘っているためならびに日産が想うスカイライン像とスカイラインオーナー、ファンが想うスカイライン像に乖離が生じているため、またメーカーならびに我々スカイラインオーナー、ファンがスカイライン神話の呪縛に縛られすぎも原因。