■ディーゼル対決 マツダ 3代目アテンザvsスバル 6代目レガシィツーリングワゴン ※日本未導入


SKYACTIVテクノロジーで新しく誕生したマツダのディーゼルは14.0というディーゼルとしては超低圧縮比だ。
ただし、これを実現したことで排ガスのNOX(窒素酸化物)について後処理システムなしで基準をクリアしている。ディーゼルの本場ともいえる欧州のメルセデスもBMWも尿素による後処理システムなしでは基準クリアはできていない。これは世界に誇れる技術である。
いっぽう、スバルの水平対向4気筒ディーゼルは日本には未導入だがボクは欧州でじっくり試乗している。その印象はディーゼルとは思えない静粛性。特に振動が小さい。
これは水平対向エンジンの特性によるもので、それぞれ2本ずつのピストンが向かい合っているので互いが振動を打ち消し合うのだ。そのため直4に必要なバランサーを取り除くことができ、そのぶん軽量で低コストとすることができるのだ。
しかも水平対向エンジンはコンパクトで低重心。シンメトリカルAWDシステムと合体し、フロントヘビーになりがちなディーゼルのウィークポイントをしっかりカバー。荷重バランスがとても優れていて、ハンドリングがいい。
走りで比較するとバランスに優れるスバルの勝ちだ。
しかし、問題はレガシィディーゼルは日本で発売されていないこと。そこには排ガス規制をクリアできていないなどの問題がスバルにはある。やはり日本国内で売ってナンボ。そう考えるとアテンザディーゼルの勝ちであります。
(TEXT/松田秀士)
■FRスポーツ対決 マツダ 3代目ロードスターvsスバル 初代BRZ


速さでいえばBRZだろう。けれども速いから偉いのかというと、必ずしもそうとはいえない。
ロードスターは速さがスポーツカーの絶対的な尺度ではないということを教えてくれたクルマ。初代ロードスターで築き上げたロードスターワールドともいえる世界観は、世界中のライトウエイトスポーツカーファンを魅了。
3代目は排気量が2Lに拡大されたが、その世界観を継承。もちろんスポーツカーとしても、前後重量バランスのいいクルマならではの素直な操縦性とコントロール性の高さを持っている。
いっぽう、BRZはトヨタとコラボすることで、およそ作れそうにないスポーツカーを現代に作ってみせたという点で大きな意味がある。
クルマのセッティングも弱アンダーで教科書どおり。グリップの限界領域を超えてもトリッキーな動きを見せることがなく、その点でも素直なFRスポーツということができると思う。
トランクスペースや室内の広さ、実用性のあるリアシート、意外に広いトランクスペースなど、パッケージングの巧さはトヨタのノウハウが生かされている。これで過給器が付いていれば文句なしにBRZに1票投じたくなる。
が、ロードスターは、他車との比較ではなく、自己完結した世界観を持っており、それが独特の存在感と魅力を作り出している。というわけでロードスターを勝ちとしたい。
(TEXT/斎藤 聡)
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