日本を代表する、ガンコなまでにポリシーを貫き少数数精鋭、しかも個性的なラインアップで勝負するマツダとスバル。ある意味唯我独尊の両メーカーとも、そのこだわりはハンパではない。トヨタ、日産、ホンダにない魅力を備えたクルマたちをカテゴリー別に対決だ!(本稿は「ベストカー」2014年4月10日号に掲載した記事の再録版となります)
文:松田秀士、斎藤 聡
■ハイブリッド対決 マツダ 3代目アクセラvsスバル 2代目XV


スバルのXVハイブリッドは旧フィットハイブリッドのパーツを利用して、スバル独自の方式で作り上げたもの。
つまり、部品は他社製品を流用することでコストを下げ、システムはまったくのオリジナル開発。とてもユニークなやり方です。また、他社製品といってもそのパーツのサプライヤーから購入しているので、ホンダから買っているわけではありません。
対するアクセラセダンハイブリッドはプリウスのシステムをそのまま移植。
ただし、エンジンはトヨタ製1.8LではなくマツダオリジナルのSKYACTIV-Gの2L。システムはトヨタから購入したもののエンジンは自社ブランド。ここに広島人のプライドを感じる。
群馬人も自動車業界では頑固で有名。ハイブリッド専用シャシーではないXVのトランスミッションにモーターをはめ込みクラッチ制御まで新しく採用しているところにテクノロジーを感じる。
しかしハイブリッドはとどのつまり燃費である。なんだかんだ、ああだこうだ言っても燃費がよければそれがすべて。
その意味ではセダンとSUVという異種格闘技の勝負ではあるがアクセラHVの勝ち!
ただし、前後輪がメカニカルに連結されたAWDでハイブリッドはXVだけ。悪路でのレベルの高い走りはスバルのAWDだから。そこにハイブリッドがあることの意義は大きい。
(TEXT/松田秀士)
■SUV対決 マツダ 初代CX-5vsスバル 4代目フォレスター


CX-5にSUV待望のディーゼルが搭載され、燃費もこのクラスのSUVとは思えないほどの高レベル。BMW X3ディーゼルと勝負できるほどなのにCX-5のほうが格段に安い。
いっぽう、スバルフォレスターは直噴ターボを搭載。ガソリンターボらしい低速から高速域までフラットなトルクと伸びのある加速が自慢。ディーゼルから乗り換えると、ガソリン仕様の静粛性や低振動感など質の高い走りに感動させられる。
もちろんCX-5にもガソリン仕様はあるものの、パワー的に釣り合いが取れているのはCX-5はディーゼルエンジンだろう。
ここでは燃費を無視してクルマとしての価値観で勝負させよう。経済性だけで判断していると、本当のよさが何なのかわからなくなってしまうからだ。
CX-5のハンドリングはもともとシャープだが、ディーゼルの重さが功を奏し逆に大人っぽい落ち着きのあるものに感じられる。ただ、個人的にシートの背もたれの形状がどうもしっくりこないところが残念。
それに対してフォレスターはシンメトリカルAWDのバランスのよさが光る。縦置きエンジンゆえに軽量化の難しいミッションをホイールベースの中心に持ってくることができ、前後重量バランスに優れている。もうひとつリーズナブルで性能のいいアイサイトも魅力。
設計思想も含めフォレスターの勝ちだ。
(TEXT/松田秀士)
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