最近のクルマはAピラーを寝かせ過ぎ? 小排気量エンジンの高級車は成立しないのか? 懐かしきアメ車全盛の時代【復刻・徳大寺有恒「俺と疾れ!!」】

小排気量エンジンの高級車は成立しないのか?

(「高級車というものはやはりエンジンが大事な気がする」という読者の方からの、日本車の場合、やはり4気筒・2Lエンジンでは高級車として成立しないのでしょうか? という質問に答えて)

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 自動車のエンジン、日本語では発動機といいますが、このエンジンというものは、気筒数が多ければ多いほど高級だと思われます。気筒数が多いとエンジンがスムーズに回転するからです。

 もちろん、3発より4発、4発よりも6発のほうがスムーズに回るので高級なのです。ただし、これはガソリンエンジンにかぎります。ディーゼルエンジンでは違う要素が入ってきます。

 一般論としては直4よりもV6ユニットのほうが高級なのは常識と言えるものです。

 しかし、最近エンジンの技術が新しくなり、世界の流れはスムーズな4気筒へと変わりつつあります。

 多くのメーカーがシンプルな方向へと向かっていくなかで、トヨタ、日産はどうするのでしょう? おそらく彼らも3気筒、4気筒で静かでスムーズなエンジンを作ろうと合理的にやっているところでしょう。

 反対にスズキのように、V6のマルチユニットを持つクルマを安く作れるところが現れ、今後大きな存在になるかもしれません。

リフトバック復活を!

カローラリフトバックは3代目カローラから追加されたハッチバックモデル。4代目のリフトバック1600GTは2T-GEU、1.6LDOHCエンジンを975kgのボディに搭載したスポーツモデルだった。カローラリフトバックというネーミングは5代目カローラで終了する
カローラリフトバックは3代目カローラから追加されたハッチバックモデル。4代目のリフトバック1600GTは2T-GEU、1.6LDOHCエンジンを975kgのボディに搭載したスポーツモデルだった。カローラリフトバックというネーミングは5代目カローラで終了する

(最初に購入したクルマは4代目カローラのリフトバック・1600GTだったというリフトバック好きの読者の方からの、最近はリフトバックという言葉が死語になってしまい残念だ、どこかのメーカーがまたチャレンジしてくれないだろうか、という声に)

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 もともと「リフトバック」という言葉は一般的ではありませんが、トヨタが作った言葉だと思います。LBというふうに表記されたりしますが、ハッチバックというのが普通でしょう。

 さて、私ならば5ドアハッチバックよりも、ワゴンを選ぶでしょう。荷物の積みおろしといった機能を含めてワゴンのほうが、便利だからです。ワゴンも乗用車ベースのもので、現行のラインアップからは外れてしまいましたが、昨年まで販売されていたアコードツアラーなどはいいクルマだと思いました。

 日本では家族のかたちも変わって来ています。クルマというものはその家族のカタチに合わせて発展し、新しくなるものです。

Aピラーが寝過ぎじゃないか

(最近のクルマは空力を重視するあまりAピラーが寝過ぎている=視界が悪くなり、運転がしにくくなっているのではないでしょうか? という読者の方からの疑問に答えて)

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 Aピラーはクルマのルームスペースを決定します。Aピラーを寝かせると外から見た時のルックスがよくなるかもしれませんが、室内のスペースを犠牲にしてしまいます。

 ウィンドウ面積が小さいとクルマを軽くする効果がありますが、私は視界は大切だと思っています。私は最近のクルマで視界がよくなく、見づらいと思ったことはありませんが、シートをしっかりと上げてポジションを取ることで、視界は変わってきます。

 確かに安全は最も大切ですが、安全過ぎても……ということもあるのです。こいつは程度の問題でしょう。

 Aピラーが寝ていると、室内は狭くなるし、グラススペースが大きいとクルマが重くなるというふうに、クルマというものは、簡単にできないところが面白いのでしょう。

 ベーシックな安全は国のほうでキチンと取られています。第一「クルマはどこまで安全ならいいのだ?」という議論は時々やらないといけません。

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