短命だったのにはワケがある! 「クセが強すぎる」個性派グルマ4選

「時代に逆行するフォルムの軽自動車ツアラー」ダイハツ・ソニカ

短命だったのにはワケがある! 「クセが強すぎる」個性派4選
トールワゴン全盛の現代では見かけることが少なくなった低重心プロポーションは爽快な走りをイメージ。その一方で、ロングホイールベースやコンパクトなエンジンルームにより、広く快適な室内空間を確保している

 軽自動車というと、とかくスペース効率や利便性にウエイトを置きがちだ。

 しかし、ダイハツ・ソニカは「爽快ツアラー」をコンセプトに、ロングドライブを快適に楽しめるよう爽快な走りを徹底的に追求した異色のモデルである。

 ベースとなったのは2005年の東京モーターショーで参考出品されたSKツアラー。スタイリングはそのコンセプトカーそのもので、現代の軽自動車では珍しい低く長く構えた、低重心フォルム。

 1470mmという全高は、当時の軽自動車で最も低い高さ。楕円のサイドウィンドウも特徴的だ。

 このようなスタイリッシュなデザインだが、居住空間を犠牲にしているわけではない。

 2440mmというロングホイールベースとコンパクトなエンジンルーム、やや低めのシートポジションにより、ロングドライブでもリラックスできる空間を確保している。

 また、メカニズムもツアラーにふさわしいもので、全車に3気筒ターボエンジンを搭載。

 世界初のインプットリダクション方式3軸ギアトレーン構造を採用したCVTを組み合わせ、低速から高速まで全域で優れた加速性能を実現。加えて、クラストップの低燃費も達成。力強い走りと高い経済性を両立したのである。

 このように目のつけどころは良かったソニカだが、トールワゴン全盛のマーケットでは残念ながら地位を築くことはできず、約3年の短命に終わった。

「3つのモードを使い分けられる新コンセプトの個性派」トヨタ・マークX ジオ

 トヨタの中心車種として長らく活躍してきたマークII。そんな功労者が消滅し、後継として登場したのはマークXだった。

 そして、スポーティなアッパーミドルサルーンとして人気を博していたマークXに、新しい仲間が増えたのは2007年のこと。ワゴンともミニバンともとれる「新しいコンセプトのクルマ」として登場したマークXジオだ。

 2005年の東京モーターショーでお披露目されたコンセプトカー「FSC」の市販モデルとなるマークX ジオ。

 ワゴンのような見た目だが「4+Free(フォー・プラス・フリー)」というコンセプトをもとに、シーンに応じてセダン、ワゴン、ミニバンを使い分けられる「3モードキャビン」としたことが特徴。

 具体的には、2列の独立4座を基本としながら、時にはワゴンのように大きな荷物を積み込め、必要とあれば補助的な3列目シートを使って多人数乗車も可能というもの。

 ちなみに2列目は、キャプテンシート仕様(6人乗り)とベンチシート仕様(7人乗り)が設定され、最終的には2列5人乗りも追加された。

 このようにフレキシブルに使える室内はこれまでのワゴンにはなかったし、斬新なコンセプトは評価に値するものだった。

 しかし、販売面では苦戦を強いられ、約6年で生産終了。

 また、マークXを名乗るもののメカニズム面でマークXとの共通点はなし。そのため、まったく別の車名でもよかったのでは? と思う人は少なくないはず。

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