欧米を中心に普及が進んでいる電動キックボード。サイズ的に持ち運びが容易で、目的地近くまでクルマやバスで行き、残りワンマイルを移動するために使うアイテムとして注目されている。
環境汚染を減らす取り組みとして、シェア電動キックボードを導入している国まであり、大きなビジネスになると期待もされている。
日本でもニュースなどで取り上げられて、その注目度が上がってきている電動キックボードだが、気になるのが日本での法令問題だ。今回はそんな電動キックボードに関して、どのような製品なのか? から、現在の法令はどうなっているのか? などを解説、提案していく。
文:国沢光宏/写真:Adobe Stock、編集部
ベストカー2020年1月26日号
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■道路事情の悪い日本に実情に合わせて検討すべき
お正月休みなどに海外旅行すると実感するけれど、電動キックボードは世界的規模で普及し始めている。そして使ってみると便利! 個人の移動手段として考えたら、これほどエコで安価なモノはないと思えるほど。
私もセグウェイ(中国企業に買収されナインボットという商品名で販売)の電動キックボードを持ってます。今の日本だと乗れる場所は極めて限られてしまう問題があるも、都市部の乗り物として普及したら素晴らしいと考えます。
参考までに書いておくと、私のナインボットES-2は、最高速度25km/hの航続距離25km。東京都内をクルマで走った時の平均速度は20km/h程度。5km移動しようとしたら歩くにゃ遠いし、バスだと待ち時間を考え30分くらい見なくちゃならない。クルマやタクシーだって15分かかります。同じような平均速度のヨーロッパの都市だと、電動キックボードで5㎞/h移動したら20分くらいだという。日本も認可したら、都市部の移動手段になる。
しかし現状日本の公道では走行できない。正々堂々と走ろうとしたらウインカーやバックミラー、ナンバー灯など付けて原付登録すればいいのだけれど、車速25km/hの電動キックボードで車道走ったら超ヤバいでしょう。何より前輪のタイヤ径小さいため、縦方向の目地など越える時にハンドル取られててしまう。ベストカー編集局長の本郷君も私のナインボットで転び、流血で戻ってきたほど(電動キックボード乗ってもいい場所です)。道路事情悪い我が国での車道走行は絶対推奨しない。
かといって歩道を25km/hで走るのも危険だ。ブレーキは前後に付いているとはいえ、小径タイヤのため25km/h出すと停止距離は自転車より長めになる。また自転車より直進安定性悪いので、避けるための性能だって低い。そんなことを総合して考えるなら、現在の禁止措置は妥当だと思う。漕がずに走れる電動自転車と同じく、どんどん取り締まって欲しい。ただ厳格に考えると、今の我が国だと電動キックボードは違法かどうかビミョーだという。
蹴った時だけしかアシストしなければ、電動補助付き自転車と同じ。はたまた車速6km/hまでしか出ないのなら、お年寄りのシニアカーと同じく歩行者扱いでもおかしくない。車両運送法、電動キックボードを想定していない。公道で乗っていたら警察に止められるが、どうやら罰金を喰らったケースは今のところないという(もしあったら連絡ください)。ただ何度も捕まったり、警官に喰ってかかるようなことをしたら、必ず何らかの嫌疑をかけられて起訴されると思う。
かといって世界の情勢を見ると、電動キックボードは環境問題を考えたら必要になってくる。COP25で小泉環境相が「環境問題に熱意なし」と酷評され、環境団体から化石賞という超不名誉なアワードを押しつけられた。個人的には車速8km/hくらいまでに制限した上で、歩行者と同じ扱いでいいと思う。ちなみに現在走っていいのは、ナンバーなしのクルマが走れ&管理者が禁止してない場所に限ります。
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