供給力を大きく上回る需要により、新車価格をこえるプレミアム価格で取引されることが多かったアルファード。しかし、ここへきて中古車相場が下落している。その実態と要因を解説する。
文:デグナー12(Team Gori)/写真:トヨタ、写真AC
【画像ギャラリー】アルファードバブルってマジすごい……ヒストリーを振り返る(3枚)画像ギャラリー改良やグレード追加の影響で中古車の流通が増加
これまで高いリセール率を誇ってきたアルファードだが、高人気と新車の供給不足により、即納を求めるユーザーが中古車相場を押し上げていた。
そのため、新車を上回る価格で中古車が売買されることも珍しくなかった。しかし、先代モデル、現行モデル共に中古車相場は2024年の夏頃をピークに下落し始めている。
下落傾向に転じた理由は中古車市場に流通量が増えてきたこと。現行モデルの流通量が増えた要因のひとつは、2025年1月に一部改良が加えられたことと、プラグインハイブリッド(PHEV)や価格を抑えたXグレードが追加されたことだろう。
特にグレード追加の影響が大きいようで、通常の購買客に加え、現行モデルからの乗り換えも目立つ。
というのも、オーナーの中には高価なハイブリッドモデルを諦め、ガソリンモデルを選択したオーナーも多いという。そこへ今回追加されたXグレードのハイブリッドモデルへ乗り換えが起きたことで、下取り車が中古車市場に流入しているというわけ。
また、一部改良はデジタルインナーミラーの全車標準装備などの細かな点だが、近年は安全装備や運転支援システムの進化により最新志向が顕著。アルファードもその例外ではないといえる。
また、納車から1年以上経過したオーナーが手放したことで、改良前モデルが中古車市場に流通。現在ではピーク時の1割程度まで相場が下がっている。
30型は残クレ終了や海外需要の低下で流通量が増加
現行モデル以上に大きく相場が下落しているのが先代モデルの30型。30型の流通量が増えた要因は残価設定ローンの影響が大きい。2018年以降、残価設定ローンで購入するユーザーが急増。
ご存知の方も多いと思うが、数年で返却・買い替えが前提のプランであるため、今がローン終了の時期。下取りが集中したことで流通量が増加している。
また、リセールを支えていたマレーシアなどのアジア圏の需要減や、ロシアの情勢悪化などにより、右ハンドル圏の輸出が鈍化。コロナ禍の頃は新車の供給不足などもあり、30型の高値売却に成功した人も多かった。
しかし、そんなアルファードバブルは終わりを告げ、今では比較的手が届きやすい相場に。むしろ今までが異常だったともいえる。
だが、安く買えるようになっても維持費は高級。税金、保険に加え、年数や走行距離からすると修理費の負担も財布を圧迫する。アルファードは魅力的なクルマではあるが、身の丈にあったクルマ選びが重要であることはいつの時代も変わらない。
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