将来お宝になるかも!! だから気にしたい「ガソリン車の寿命を縮める」NG行為

不要な暖機運転、冷間時からのアクセル全開もNG

一生もののクルマを守るならやっちゃダメ!! 「ガソリン車の寿命を縮める」NG行為
停車したままの状態でエンジンを動かすアイドリングを長く続けるのもクルマに悪影響を与える可能性のあるNG行為。燃費の悪化や排ガス・騒音による周囲への迷惑はもちろん、低回転の状態が続くことで不完全燃焼を起こし、エンジン内部に燃えカスなどの汚れが残る原因となるからだ

 昭和の時代には常識という感のあった、走り出す前の「暖機運転」だが、ここ最近のクルマでは特に必要がないという考え方が一般的。

 そもそも「暖機運転」とは、エンジンの始動直後に走り出すのではなく、一定時間負荷をかけずに回すことでエンジンの内部を暖め、潤滑のためのオイルを十分に行き渡らせることで摺動部分が滑らかに動くようにする準備運動のようなもの。

 これによりエンジンが本来持つ性能を引き出すことがその目的だ。

 ところが現代ではエンジン本体の組み付け精度が高くなり、オイルの潤滑性も向上しているため、暖機運転をせず、すぐに走り出してもエンジンはその性能を十分に発揮することができる。

 また、かつて使われていた「キャブレター」に代わり、現代のクルマでは「インジェクター」が使われていることも、暖機運転を必要としない大きな理由のひとつだ。

 これは冷間時に燃料の噴射が安定しないという特性がある「キャブレター」に対し、電子制御の「インジェクション」では、常に安定した噴射が可能になったからにほかならない。

 あまりに長い暖機運転やアイドリング状態を続けることは、ガソリンの無駄遣いになるのはもちろん、エンジン内部にカーボンがたまる原因にもなるため、クルマの寿命を考えると控えたほうがいいだろう。

 とはいえ、エンジン始動直後からいきなりアクセル全開というのもNG。いくら技術が進歩したとはいえ、熱による金属同士のクリアランスの変化やオイルの粘度変化などはどうしてもありうるからだ。

 停止したままの暖機運転こそ必要はないが、エンジンが適正な温度に温まるまで優しくゆっくりと走る「暖機走行」は、現代のクルマには最適とされている。

 いっぽうで極端に気温が低い時やしばらくクルマを動かしていなかった場合などには、1分程度「暖機運転」をしてから、「暖機走行」へと移行するのがお薦めだ。

高回転を多用、低回転ばかり。どちらもダメ

 クルマのエンジンは、長期間始動せずに放置した状態が続くと、内部のオイルが重力によって落ちて油膜が失われ、パーツの腐食やサビが発生することもありうる。

 そのため1週間に一度程度はエンジンをかけ、内部にオイルを循環させるのが、エンジンを長持ちさせる秘訣だ。

 さらに実際の走行においてもエンジンを労わる運転を心がけることが重要。

 エンジンを長持ちさせるための方法として「内部のカーボン汚れを燃やすために、高回転をキープしたほうがいい」という説を聞いたことある人も多いのではないだろうか。

 この方法、決して間違いではないものの、やり過ぎには注意が必要。

 高回転域を多用した運転は、燃費に悪影響を与えるのはもちろん、エンジン内部に大きな負荷がかかり続けるため、ピストンやバルブ、クランクシャフトの摩耗が激しくなるからだ。

 またエンジン内部の圧力の上昇により、シール部分からのオイル漏れを起こす原因にも。

 特にMT車の場合は、エンジンの回転数がレッドゾーンに入ることがないよう、的確なシフト操作が求められる。

 いっぽう、低回転で走り続けるのがエンジンに優しいかといえば、そうとも限らないのが難しいところ。

 あまり低回転でエンジンを使い続けてしまうと、不完全燃焼による燃えカスなどのカーボンがエンジンの内部に蓄積してしまい、性能低下や故障につながってしまう。

 車種によって異なるものの、エンジンのコンディション維持には、2000~4000rpm程度の中回転域で一定時間走行し続けるのが良いとされており、そのためには高速道路やバイパスなど一定速度を保てる場所を、ある程度のスピードで流すのが最適。

 今後貴重になるかもしれないガソリン車に長く乗り続けるためには、ハードすぎる使い方はもちろん、ほとんど走らせないなど、大切にするあまり愛車を過保護にしすぎるのもNGということだ。

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