高速安定性と静粛性のPHEV&走りのよさのHV……ラゲッジの広さは圧巻(竹岡圭)
高速走行の安定感と静粛性の高さ。このふたつはPHEVモデルが抜群でしたね。HVモデルも静かですけど、エンジンがかかった時の落差があるから音が目立っちゃう。もう少し官能的なエンジン音だったら、それもいいんでしょうけどね。
とはいえ、HVモデルはクラウンスポーツと比べてもエンジン&フロントモーターの出力がパワーアップしているのと、PHEVモデルと比べて車両重量が220kg軽いだけあって、正直HVモデルのほうが走っていて楽しいと感じました。
ひとつ改善していただけると嬉しいのは、シートの調整幅。身長158cmの私ですと、あとホンの少し座面高が上がってくれると、左前がずいぶん見えやすくなって、車体の大きさを気にせずに運転できる感じなのです。
同じ全幅1880mmのクラウンスポーツのHVモデルのシートと比べると、あちらはもう少し座面が上がるので、だいぶ印象が違ってきます。まぁ、あちらはあちらで、シート表皮が服装によっては滑りやすいのが困りごとだったりしますけど。
エステートで圧巻なのは、2mの荷室長を誇る、完全フルフラット化が可能なラゲッジスペース。オプションで選べる折り畳み格納式のデッキテーブルや、床下格納式のデッキチェアも使い勝手がよさそうです。見ているだけで楽しい情景が浮かぶのはステキですよね。
●ポイント採点チェック
・ハンドリング:9.5点
・加速性能:10点
・乗り心地:8点
・内装の質感:9.5点
・静粛性:10点
・コストパフォーマンス:8.5点
広大でフラットな荷室空間が魅力!! オススメはハイブリッドZ(渡辺陽一郎)
先代クラウンの月販台数は、ピークだった1990年の約10分の1程度の水準まで落ち込んだ。そこで現行型はクラウンをシリーズ化し、うち3タイプを売れ筋であるSUVとした。
まず登場したクラウンクロスオーバーは従来型との架け橋。SUVながらトランクスペースを備えたセダンだ。
一方、最後発のエステートは典型的なLサイズSUVで、車内も広い。後席は腰の落ち込む着座姿勢が気になるが、格納すると平らな荷室になるよう工夫されている。
荷室長は約2m。ディーラーオプションのフルフラットラゲージマット(3万6300円)を敷くと、車中泊も可能だ。
PHEVのRSはハイブリッドのZよりも価格が175万円高く、後席シートヒーターなどPHEVに加わる装備の換算額を差し引いても実質155万円上まわる。
ハリアーPHEVは、急速充電器を使えないが、同様の計算をすると実質88万円高だ。クラウンエステートPHEVは、60万円の補助金が交付されても割高になる。
したがって、クラウンエステートはハイブリッドZを選ぶ。こちらも635万円とクラウンスポーツZよりも45万円高だが、後席と荷室の広さを重視するなら選ぶ価値はある。
ハイブリッドは走行音が静かで快適だが、乗り心地は21インチタイヤによって少し硬く感じる。18インチに変更したい。
●ポイント採点チェック
・ハンドリング:7.5点
・加速性能:6点
・乗り心地:7.5点
・内装の質感:8.5点
・静粛性:8点
・コストパフォーマンス:4点


コメント
コメントの使い方