日本の全ての道路で自動運転が使えるのは、まだ先の話だが、近頃はクルマが「先読み運転」をしてくれるようになった。安全運転をさりげなくサポートしてくれる、トヨタの「プロアクティブドライビングアシスト」が、この先読み機能だ。搭載車が増え、機能を日常的に体感している人も増えてきているこの機能。一体何が凄いのか、解説していく。
文:佐々木 亘/画像:Adobestock(トップ写真=tarou230@Adobestock)
【画像ギャラリー】かもしれない運転の手助けとなること間違いなし!!(3枚)画像ギャラリークルマがリスクを先読みしてサポートする
日常的にドライバーは「かもしれない」を考えながら運転しているはず。「クルマの陰から人が飛び出してくるかもしれない」「止まっているクルマのドアが開くかもしれない」など、運転は予測と判断の連続だ。
この予測と判断は、基本的にドライバーが持つべき必須のスキルなのだが、ふとした瞬間におろそかになってしまうこともあるだろう。それが事故につながり、クルマが大きな被害を生み出すことになってしまう。
そんな予測と判断で忙しいドライバーをサポートしてくれるのが、トヨタの最新予防安全技術の「プロアクティブドライビングサポート」だ。
歩行者の横断、飛び出してくるかもしれないといった、運転状況に応じたリスクを先読みして、危険に近づきすぎないように運転操作をサポートしてくれる。また、道路状況を理解して、ペダル操作のアシストもしてくれるのだ。
搭載車はヤリス・カローラスポーツ・シエンタ・ノアヴォク・アルヴェル・クラウン・ランクル250など21車種(2025年5月現在)。グレード別装備となっている車種もあるが、搭載車種ではメーカーオプションではなく標準装備となっているところが嬉しい。
具体的にプロアクティブドライビングサポートはどんなことをしてくれるのか。活躍シーンを見ていこう。
自然なブレーキと操舵感
まずは歩行者や自転車運転者・駐車車両に対する操舵・減速支援。横断歩行者や側方間隔が近い歩行者に対して、リスクを先読みしながら減速制御や操舵制御を行うことで、危険に近づきすぎないようにしてくれる。
また、日常的にプロアクティブドライビングサポートの介入を感じるのが、先行車に対する減速支援だろう。先行車との車間距離が近づきすぎないように、アクセルOFFに応じて減速を支援してくれる。
体感としては介入が入ると、少し強めのエンジンブレーキがかかったような感じだ。ブレーキタイミングが、ドライバーの想定よりも少し早いことがあるが、支援が入ったタイミングでブレーキを踏み増していくと、同乗者にも優しい止まり方ができるので良い機能である。
さらに高速道路などで入りやすい支援が、カーブに対する減速支援。前方のカーブに対して自車の速度が速いと判定したときに、ドライバーのアクセルOFFに応じて緩やかに減速してくれるものだ。信号交差点での右左折時には、ウィンカー操作に応じて減速支援を行うこともある。
最後に最も自然に介入してくるのが、車線内走行時常時操舵支援だ。ドライバーの操作を先読みしてステアリング反力を変化させる。不要な操作の抑制や操作遅れを防止して、スムーズな走行をサポートしてくれるもの。大幅な介入は無いが、まっすぐ走ることが楽になり、運転自体の負担が減る。
プロアクティブドライビングサポートは、初めての介入では違和感があるが、本来こう運転していた方がスムーズだったということに気づかされることも多い。独りよがりになりやすい運転操作を、見直すきっかけにもなるだろう。





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