「高評価=ロングセラー」とは限らない…人気なのに短命だった不運グルマ5選

スタートダッシュが持続せず

「高評価=ロングセラー」とは限らない…短命ヒット車の系譜
ホンダ CR-Z。ハイブリッドスポーツの先駆け的な存在でもあったが、バッテリー重量などが影響して、かつてのCR-Xの持ち味だった軽快さが薄れてしまった

●ホンダ CR-Z

 ホンダのFFスポーツモデル・CR-Zは、以前の人気車・CR-Xの意匠を引き継いで2010年にデビューした。

 この時代のモデルらしくパワートレインに内燃エンジン+電動モーターのハイブリッドを採用し、コンパクトな車体をパワフルな動力でキビキビ走らせるという明確なコンセプトを持っていた。

 マニュアルトランスミッション仕様も用意されたCR-Zは発売直後から人気を獲得し、発売後約1カ月の受注台数は月間販売計画の10倍を記録している。

 2012年にはマイナーチェンジを実施して出力が向上するなど、CR-Zの進化は続いていたが、燃費を重視したハイブリッドと、できるかぎりのパワーを求めるスポーツカーの相性は抜群とはいえず、実際に乗ってみるとパワー感に不満を持つというケースもあった。

 そのため売り上げにおいては初期の勢いを保てず、セールスが低下したCR-Zは2017年に後継車を残すことなく販売を終えている。

●トヨタ ウィッシュ

 2003年にトヨタが市場に投入したミニバンのウィッシュは、ホンダが当時成功させていたストリームとホイールベース以外同じサイズということで話題になった。

 つまり、ヒット作になったストリームにトヨタが“寄せた”クルマがウィッシュだったわけだが、単なる模倣にとどまらず、使い勝手の良さなどで優れた点も多く、発売からアッという間にストリームを上回る販売成績を残した。

 コンパクトな5ナンバーサイズでミニバンにしては車高が低く、スポーティな雰囲気も強かったウィッシュは予想を超えるヒットになり、発売から2年間は年間10万台を超える売り上げを記録している。

 2009年にはモデルチェンジが行われるが、この頃になると低床ミニバン自体の人気が低下し、ウィッシュもその波に飲み込まれてしまった。

 強烈なスタートダッシュを決めたウィッシュだったが、3代目を迎えることなく2017年にシリーズの幕を閉じている。

メーカーのお家事情に巻き込まれた不幸なモデル

●スバル トラヴィック

 1999年、スバル(当時は富士重工)はアメリカのゼネラルモーターズ(GM)と資本提携を結び、その結果、当時はGMの子会社だったドイツのオペルが開発したミニバンを国内販売することになった。

 トラヴィックと命名されたそのクルマは、オペル ザフィーラをベースにするものの顔つきはオリジナルで、エンジンもザフィーラより大きい2.2リッター直4が搭載されていた。

 そして注目は日本国内での販売価格がザフィーラより100万円も安かったこと。

 国内向けにチューンされながらも本家モデルより価格が安いトラヴィックは、累計販売台数約1万2000台という好成績を残している。

 しかし、スバルとGMの提携は2005年に解消され、それに伴ってトラヴィックの販売もこの年で終了した。

 トラヴィックを評価する声も多かったこともあって、一部では悲劇のモデルとも呼ばれている。

【画像ギャラリー】評判は上々だったもののロングセラーになれなかったクルマたち(20枚)画像ギャラリー

 

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