すでにながーい歴史をもつワイパー。もはやクルマについているのが当然と感じている人がほとんどだろう。だが、その動作方法も時代によって変化している。今回は近年増えてきた雨滴感知式オートワイパーについて考えてみよう!
文:小鮒 康一/写真:日産、Adobestock(トビラ写真=Nicolas St-Germain)
【画像ギャラリー】初搭載されたのはナント1980年代!? 近年は増えてきた雨滴感知式オートワイパー!(2枚)画像ギャラリーまさかのゲリラ豪雨!! 今どきワイパーはやっぱオート!?
台風にゲリラ豪雨と、何かとお世話になる機会の多いクルマのワイパーは、ゴム製のブレードとバネ式アームを用いるという基本形が120年以上変わっていないある意味完成された装備となっている。
ただ、その動作方法は進化しており、過去にはエンジンの負圧を利用したものや、スピードワイヤーケーブルから動力を取るタイプなどが存在していたが、現在はモーターを用いた電動式が一般的だ。
そんなワイパーも近年ではオートの位置にしておけば、雨などを感知して自動的にワイパーを動かしてくれる雨滴感知式オートワイパーを装着しているクルマも増えてきているのだ。
なかなか思い通りに動かない? オートワイパー
雨滴感知式オートワイパーは、名前の通り雨滴、つまり雨粒を感知して自動的にワイパーを作動させるもので、フロントウィンドウに設置されている(多くはガラス面上部)センサー部分に水滴などが付着すると雨が降っていると判断してワイパーを作動させてくれる。
これは発光素子と受光素子の組みあわせで成り立っており、ガラス面に水滴がなければ発光素子から照射された赤外光はガラス面に反射してそのまま受光素子に入射するのだが、水滴があると赤外光は水滴を透過してしまって受光素子への入射量が減るため、その光の量から雨の量を判断してワイパーを作動させるという仕組みとなっている。
そのため、当然ながらセンサー部分に雨粒がこなければワイパーは作動しないし、ピンポイントで水滴が付着すれば、雨でなくてもワイパーが動くということになる。
ただフロントウィンドウの汚れ具合や撥水剤の有無などはもちろん、メーカーによっても作動するタイミングや動作スピードに違いが出るため、なかなか実際の雨量と動作がマッチしないケースも少なくないのが実態だ。
そのためあまりオートワイパーに頼りきりにならず、適宜自分でワイパーの動作速度をコントロールするのが降雨時に安全を確保する最善の方法と言えるのではないだろうか。
個人的には現状の雨滴感知式オートワイパーの必要性を感じないというのがホンネなのだが、今後、さらに車両がコネクテッド化すれば、リアルタイムの雨雲レーダーの情報からワイパーを動作させるようなオートワイパーが登場する可能性もゼロではないのかもしれない。




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