2013年8月、第3回を数える日産のグローバル試乗会、“ニッサン360”が5年ぶりにカリフォルニア、アーバインで開かれた。インフィニティを含めた世界で売られる日産車約100車種、参加したメディア約1000名という超ビッグイベントだが、日本では売っていない意外な日産車を中心に13車種に試乗してみた!(本稿は「ベストカー」2013年10月26日号に掲載した記事の再録版となります)
文:竹平素信
e-NV200プロトタイプ

手頃な商用車として世界中で人気のNV200。日本名はバネットもつくが、これのEVモデルが近々デビューする予定で、今年末からスペインのバルセロナ工場で生産が開始される。日本投入も予想されるだけに気になるモデルだ。
日産のEVとなればリーフが本格的EVとして先鞭をつけておりe-NV200に積まれるユニットもリーフとほぼ同じ。
そうなると走りにも大いに期待できるではないか。乗り込んでみれば、コックピットはEVムード。メーターパネルもリーフ似のデザインでバンとは思えないオシャレぶり。
走ってみれば期待どおりのパワフルさ。アクセルオン、オフの瞬間から「クィーン」と加速するさまもリーフと変わらない。商用車だけにこのパワフルさは実に頼もしい。航続距離もリーフと同じレベルが目標とのことだ。
パワーだけでなく、軽快なハンドリングとカッチリした乗り心地も好印象。これもリーフ同様低重心化によるメリットと思う。
アルティマ
北米で一番売れている日産車がアルティマで、昨年フルモデルチェンジされ、このモデルから日本のティアナと共通ボディとなる。つまり、新型ティアナが先行して北米で売られているわけだ。
スタイルはなかなかスポーティ。個性的とまではいかないが、風格があり、北米でも親しまれそうだ。インテリアはスポーティだし、とてもシャレている。作りもクォリティの高さを感じさせる。
最上級の3.5Lに乗ってみたが、おなじみのVQ35はあいかわらずシャープな吹け上がりでパワフル。スポーティなサウンドもあり気持ちいい。このパワー感とスポーティフィールはアメリカ人も感動すると思う。
ミッションはマニュアルの設定はなく、ジヤトコのXトロニックCVTが採用されている。アメリカ仕様も燃費と走りの両立が求められる時代なのだ。
乗り心地はややソフトめ。アメ車らしい、ともいえるのだが、日本仕様の場合、どこまで変わってくるのか興味深い。上質な乗り味なのは間違いない。
パスファインダー ハイブリッド
以前、テラノなるSUVが日本で大人気だったが、今ではパスファインダーとして北米で人気のモデルとして残っている。その最新モデルにはハイブリッドもありで、いずれこのシステムがティアナに搭載されることからチェックしておこう。
テラノのイメージは今はなくて、サイズでは5000mm(全長)×1960mm(全幅)×1768mm(全高)と、かなり大きくなった。
3列シート、7名乗車のどっしりとしたSUVなのだ。スーパーチャージャー付き2.5L、直4にジヤトコのモーター内蔵ハイブリッド専用CVTが組み合わされる。1モーター(15kW)、2クラッチのパラレル式だ。
いやいや、さすがに力強い。低速からトルクたっぷり。加速もリニアだ。フル乗車でも力不足なしの感じ。FFもあるが乗ってみたのはオールモード4×4。マルチリンクサスもあり、洗練された作りはとても印象的だった。
このハイブリッドシステム、次期日本のティアナに投入されるというウワサだけに大注目したい。





























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