2006年(平成18年)8月に、福岡県で幼児3人が死亡する重大事故が発生するなど、大きな社会問題と化した飲酒運転。その事件を機に、飲酒運転および助長行為の罰則に関しては下記のように厳罰化が図られた。
◆酒気帯び運転
●吸気中アルコール濃度0.15mg/L以上 0.25mg/L未満……基礎点数13点・免許停止期間90日(※)
●吸気中アルコール濃度0.25mg/L以上……基礎点数25点・免許取り消し 欠格期間2年(※)
【罰則】3年以下の懲役または50万円以下の罰金
◆酒酔い運転
●アルコールの影響により車両の正常な運転ができない状態……基礎点数35点・免許取り消し 欠格期間3年(※)
【罰則】5年以下の懲役または100万円以下の罰金
厳罰化の効果や、社会的な動きもあり飲酒運転による事故件数は減少していたが、2016年の結果では下げ止まっている。
新年会シーズンは終わったが、これからは送別会、歓迎会、お花見といった酒宴が催されるシーズンもやってくる。ハンドルを握るドライバーとして、正しいアルコールに関する知識を身に着けてもらいたいと思い、今回は話をしていきたい。
文:国沢光宏/写真:Adobe Stock、TANITA
ベストカー2020年2月10日号
【画像ギャラリー】厳罰化された「飲酒運転」、そして「ながら運転」の罰則などを知っておこう
■飲酒運転しないのは当たり前。アルコールに対する正しい知識が重要
達人揃いのベストカー読者に対し、いまさら「飲酒運転はダメ!」などと言う気なんかありません! そんなこと常識だからだ。
しかし、達人でも結果的に飲酒運転となってしまっているケースがあると思う。それはお酒飲んだ次の朝です。考えていただきたい。ゴルフに行き、クルマで来ている人がお昼の食事の際、350cc缶のビールを飲んだとする。これを見た人の多くは「クルマで来てるのに酷い!」と思うことだろう。
けれど平均的に考えたら、缶ビール飲んでも90分くらいすれば呼気中のアルコールは検出限界以下になる。午後の9ホール終わってお風呂入る頃には、お昼に500ccの生ビール飲んだって飲酒運転とならない。でも皆さんそういったことをしません。私もしないです。そもそも「明るいウチからお酒飲んだらダメ!」というのが私のモットーですから。
ここで気になるのは、アルコールが抜けるまでにかかる時間でしょう。グーグル先生に聞くと、いろんな答えが出てくる。
医学上だとアルコール分解能力は1時間あたり体重×0.1gとされてます。体重50kgの人だと1時間に5gという計算。度数5%のビールなら350ccでアルコール14gだ。完全に分解されるまで3時間くらいかかると医学書には書かれているワケ。
つまり3缶飲んだら42gとなり、分解に8時間20分かかる。体重50kgくらいの軽めの人であれば、朝7時にハンドル握ろうと思ったら夜22時以降に缶ビール3缶以上お酒飲んじゃダメです。
もう少し具体的に書く。宴会で「とりあえずビール」で乾杯し「お代わり。続いて、もうビールはいいから焼酎の水割り×3。のど渇いたのでハイボール」とやったら、もはや80g以上になっている。医学的にゃ、16時間ハンドル握れない。でも実際はこのくらい飲んでも朝ハンドル握ると思う。カンペキな飲酒運転でしょう。ところが、である。アルコールチェッカーで測ってみると、案外検出限界以下だったりする。なぜか? アルコール分解能力は相当な個人差があるからだ。
実際のアルコール分解速度、けっこう違う。私がアメリカで黄色人種代表の治験者として実証試験に参加した時(アルコール飲んでクルマを運転し能力を検査。分解時間も計った)。
いわゆる下戸の人は1時間に2gくらいしか分解できなかったのに対し、1時間で20gも分解している人がいました。その時に医師に聞いたら、体調によっても違うという。1時間で20gの能力持つ人は、飲んでいる時も分解しているため酔いにくい。
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