ホンダの「CR-V」が北米で絶好調だ。2024年の北米での販売において、CR-Vは前年比11%増となる402,791台を記録。これはCR-Vとして初となるだけでなく、ホンダとしても2001年のアコード以来の実績となるという。なかでも人気となっているのがハイブリッド車のe:HEVだ。
ただ、日本のCR-Vには、車両価格809万円、しかもリース限定と、とても一般ユーザー向けとはいいがたいプラグイン燃料電池車e:FCEVしか設定がなく、日本は置いてけぼりの状況。残念に思っているホンダファンは少なくないはずだが、2025年秋には朗報が届くかもしれない。
文:吉川賢一/写真:HONDA
【画像ギャラリー】日本にもe:HEVを!! 北米で大ヒットしているホンダのミドルサイズSUV「CR-V」(21枚)画像ギャラリー北米でのCR-V販売の50%がe:HEV
現行型CR-Vは、北米では2022年にデビューした第6世代だ。当初はガソリンターボ(1.5L VTECターボ)とe:HEV(2.0L直噴エンジン+2モーター)の2本立てで、日本でも販売されている燃料電池車のe:FCEVは、日本と同じ2024年7月に投入された。
なかでも北米で人気となっているのがe:HEVだ。エンジン出力145HP(147PS)、モーター出力181HP(183PS)と、トルクはなんと335Nmに達するという、ミドルクラスSUVとしては十分すぎるスペックで、燃費性能も、市街地18.2km/L、高速15.3km/L、複合17.0km/L(2WD)と優秀。北米では、CR-V販売のうち、実に50%がe:HEVとなっているという。
そんな魅力的なモデルがなぜ日本にない!??
一方で、日本市場に導入されたのは、燃料電池車の「e:FCEV」のみ。CR-V e:FCEVは、水素満タンで621km走ることができるとされており、外部充電によるEV走行可能距離も約61kmあるなど、最先端の技術が搭載されたクルマではあるのだが、冒頭でも触れたように、価格は税込809万円と超高額、しかもリース限定販売。CEV補助金を加味すると実質550万円(2025年度)になるとはいえ、一般ユーザーにとっては手を出しづらい仕様だ。
ホンダには、ほかにも、ZR-V、ヴェゼル、WR-Vと3種のSUVラインアップがあるが、「ちょっといいSUVが欲しい」というホンダファンにとって、CR-Vは貴重なモデル。しかも北米ではバカ売れしているだけに、日本でe:HEVが選べないことに不満を抱いているユーザーは少なくないだろう。
タイに右ハンドル仕様があるじゃないか!!
日本仕様のCR-V e:FCEVは、北米で生産したものを日本に輸入し販売するというかたちが採られている。製造工場は、ガソリン車とe:HEVはカナダ工場、e:FCEVは米国オハイオ州にあるPMC(Performance Manufacturing Center)だ。
カナダ工場生産のe:HEV(とガソリンターボ車)も、e:FCEVと同様に日本に輸入するとなると、右ハンドル化(やその他法規対応)が必要となるが、実はe:HEVとガソリンターボ車に関しては、日本同様に左側通行右ハンドルの国である東南アジアのタイでも生産されているため、タイ生産車を輸入すれば右ハンドル化をする必要がない。
タイといえば、日本で販売中のアコードもタイ製だ。日本仕様として導入する障壁はそれほど高くないはずなのではないだろうか。ちなみに、そのタイで2025年3月26日~4月6日まで開催されていたバンコク国際モーターショーでは、「e:HEV RS Modulo」という、ホンダファンならばぜひとも手に入れたいスポーティグレードまで出展されていた。
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