車内サウナ化でもう耐えられない!! 連日の猛暑で危険信号!!! ドライバーが守るべき熱中症対策5選

車内サウナ化でもう耐えられない!! 連日の猛暑で危険信号!!! ドライバーが守るべき熱中症対策5選

 連日30°を超える猛暑が続き、熱中症リスクが高まっています。とくに高温下での車内環境は想像以上に過酷。ドライバー自身が“命を守る行動”をとる必要があります。今回は今すぐ実践できる熱中症対策を徹底解説します。

文:ベストカーWeb編集部/写真:Adobe Stock(トビラ写真:peach100@Adobe Stock)

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車内は灼熱地獄! 熱中症指数WBGTとは

車内熱中症にならないように注意
車内熱中症にならないように注意

 気象庁やJAFの発表によると、真夏の直射日光が当たる車内では、わずか30分で70度以上になることもあります。エアコンを切った状態での駐車は、車内熱中症を引き起こす大きな要因です。特に子どもや高齢者、ペットを同乗させている場合は、短時間でも油断は禁物です。

 ドライバーのみなさんにはまず、「自分は大丈夫」という過信を捨てていただきたい。車内の温度変化と水分・塩分不足は、判断力や反応速度にも影響を与える重大なリスク要因です。

 最近では天気予報と一緒に「熱中症指数(正式には暑さ指数:WBGT)」が紹介されるようになりました。この指数は、単なる気温とは違い、「湿度・気温・日射・輻射熱」などを総合的に評価し、人体にとってどれだけ“危険な暑さ”かを示すものです。

 WBGT数値は環境省や気象協会が運営するWebサイトやスマホアプリで毎日リアルタイムに確認可能です。とくに関東地方のように急に猛暑日となる地域では、「今日はWBGTが28度以上」とわかった時点で、外出や長距離運転の見直しを検討すべきです。

 車内にいても熱中症指数を意識することで、「いつエアコンを強めるか」「どこで休憩を取るか」といった具体的な判断に役立ちます。

暑さ指数(WBGT)の目安。天気予報ではお馴じみのもの
暑さ指数(WBGT)の目安。天気予報ではお馴じみのもの

1/出発前5分のエアコン先行作動が鍵

乗車前のエアコンをONにしておく予冷は有効
乗車前のエアコンをONにしておく予冷は有効

 乗車前にエンジンとエアコンをONにしておく“予冷”は、車内温度を一気に下げる有効な手段です。エアコンは「内気循環モード」に設定し、直射日光が当たらないようにサンシェードなどで補助すれば、より効率的に冷却できます。

 夏場の燃費を気にする声もありますが、安全と快適性を天秤にかければ、予冷の重要性は明白です。

 ここで、外気導入モードと内気循環モードを整理しておきましょう。

外気導入
・空気が綺麗な郊外などで外気を取り入れたい時
・空気の入れ替えをしたい時
・デフロストとも関連するが、窓が曇ってしまう時
■内気循環
・トンネルや先行車が古いディーゼル車など、汚い空気が車内に入ってくるのを遮断したい時
・夏場に駐車した後など、アツアツになった車内を素早く冷やしたい時

 また、マメ知識としては、
・高級車になると外気導入と内気循環もオートになるクルマもある
・現代のほとんどのクルマにはエアコンのフィルターが付いており、花粉の時期には特に役立つ。ただ、オイルフィルターやエアクリーナーのような消耗品なので、たまには確認して汚れているような交換が必要

2/「車内サウナ化」防止には断熱&遮光グッズを活用

サンシェードがあるから大丈夫とはいかない(xiaosan@Adobe Stock)
サンシェードがあるから大丈夫とはいかない(xiaosan@Adobe Stock)

 駐車時にサンシェード、遮光カーテン、断熱フィルムを活用することで、車内温度の上昇をある程度抑えることが可能です。とくに「フロント・リア・サイドすべてをカバー」することで、平均5〜10度の温度上昇を防げるとの実証結果もあります。

 さらに、ダッシュボードやステアリングに直接日光が当たらないよう、反射素材を用いたカバーを併用するのがオススメ。これにより、乗車時の「アツッ!」を大幅に回避できます。

 ただしサンシェードがあれば、もう安心と過信してはいけません。ダッシュボードやハンドルが熱くなるのを防いではくれるのですが、さて車内温度は? となると、車内最高温度は対策なしに比べてたったの2度しか低くならず、温度抑制効果はほぼないのです。これではとても車内にはいられません。

3/こまめな水分補給&塩分摂取が命を守る

 運転中はついつい水分補給を忘れがちですが、1時間に1回程度のこまめな水分&塩分補給は、熱中症のリスクを大幅に下げます。ペットボトルの水だけでなく、経口補水液やタブレット塩飴を車内に常備しておくと安心です。

 特に中高年ドライバーは、喉の渇きを感じにくくなる傾向があるため「渇く前に飲む」が鉄則。助手席の方と声を掛け合いながら、習慣化していきましょう。

4/「エアコン任せ」は危険!空気の流れを意識せよ

長時間の運転では室内の換気も必要
長時間の運転では室内の換気も必要

 「エアコンをつけているから大丈夫」——そう思っている方も多いですが、実は空気の流れ(換気)も大切です。長時間の運転では、車内の二酸化炭素濃度が上がり、眠気や倦怠感の原因になります。

 死亡事故の原因で最も多いといわれる漫然運転につながります。漫然運転とは、簡単にいうと「注意力が散漫になり、ぼんやりと運転を続けている状態」を指します。

 エアコン使用時も、30分に1回程度は窓を少し開けて空気を入れ替える、もしくは外気導入モードを活用することを推奨します。特に渋滞時や都市部走行中は注意が必要です。

5/駐車中の「うっかり放置」が命取りに

35度の炎天下、3時間ダッシュボードに置いたコーラは液温が45度まで上昇し、炭酸がプクプクと泡立ちはじめる状態にまでなっていた
35度の炎天下、3時間ダッシュボードに置いたコーラは液温が45度まで上昇し、炭酸がプクプクと泡立ちはじめる状態にまでなっていた

 毎年報告されている子どもやペットの車内放置による事故。ほんの数分のつもりが、命取りになるケースも少なくありません。JAFの調査では、外気温が35度前後で、15分で45度を超えるケースが複数確認されています。

 例えばスマートフォンを置きっぱなしにした場合、警告画面が表示され、一部の機能を除いて使用不能になります。AppleによるとiPhoneの動作適正温度は0度~ 35度。それを超えた環境で使用するとバッテリーを含めて動作不良を起こす可能性があるとのことです。夏場の車内は70度を超えることがよくあるので、短時間でも危険です。

 ありがちなのはカップホルダーにさしたまま放置する例。ペットボトルに太陽光があたり「収れん火災」(ペットボトル内の飲料がレンズの役割をはたして車内の可燃物に引火する)を起こす可能性があります。なお炭酸飲料入りのペットボトルはさらに危険です。温度上昇により爆発する可能性があり、車内が大変なことになります。

車内の温度は50.5度、持ち込んだ熱中症指数測定器の数値は34~35度(危険)を指している状態。腕の毛穴という毛穴から、汗が噴き出た状態。きちんと水分補給しなければ、あっという間に脱水症状を起こすことになるだろう
車内の温度は50.5度、持ち込んだ熱中症指数測定器の数値は34~35度(危険)を指している状態。腕の毛穴という毛穴から、汗が噴き出た状態。きちんと水分補給しなければ、あっという間に脱水症状を起こすことになるだろう

 「自分は忘れない」と思わず、“助手席に荷物を置く”などの置き忘れ防止習慣を身につけることが重要です。最近は、車内置き去り防止アラームや通知機能付きのチャイルドシートも登場しており、用品メーカー各社の動向にも注目です。

ベストカーのテストでは気温36.4度を記録した当日、正午から午後3時まで、ハスラーとBMW318iの窓を閉めてテストを実施した。車内温度は表のとおり、318iの温度がぐんぐん上がり室内温度はなんと60.8度まで上昇
ベストカーのテストでは気温36.4度を記録した当日、正午から午後3時まで、ハスラーとBMW318iの窓を閉めてテストを実施した。車内温度は表のとおり、318iの温度がぐんぐん上がり室内温度はなんと60.8度まで上昇

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