酷暑日要注意! うっかりNG行為と夏本番までに必ずやっておきたい寿命を長くするメンテナンスとは

酷暑日要注意! うっかりNG行為と夏本番までに必ずやっておきたい寿命を長くするメンテナンスとは

 全国各地で2024年一番の暑さとなった12日、全国で最高気温が30度以上の真夏日の地点は327地点を超えた。これだけ暑いと人間はもちろん、クルマもへばる。そこで、クルマがへばる夏本番前にやっておきたい必須メンテナンスを紹介しよう。

文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、Adobe Stock(トビラ写真:NorGal – stock.adobe.com)

■夏のクルマトラブルNO.1はバッテリー上がり

バッテリー交換の目安は2~3年といわれているが、ほったらかしにしているとこのように緑青や硫酸塩の粉が吹いている場合が多い(Songkhla Studio@Adobe Stock)
バッテリー交換の目安は2~3年といわれているが、ほったらかしにしているとこのように緑青や硫酸塩の粉が吹いている場合が多い(Songkhla Studio@Adobe Stock)

 6月12日、茨城県では35度を超え、関東では今年初めての酷暑日となった。東京・練馬区でも33.2度を記録し、今年一番の暑さとなった。

 35度を超える猛暑日の走行、ストップ&ゴーの多い渋滞、ノロノロ運転、エアコンをガンガンかけている状況……。愛車は新車で買ったばかり、あるいはまだ新車購入から3年以内だから、大丈夫だろうというのは大間違いだ。

 ましてエンジンオイルを1年以上(または1万㎞走行)していないクルマがこんな走り方をすると、クルマの寿命を短くすることになる。人間が暑さにまいっている時は、クルマも当然まいっているのだ。

 夏のJAFロードサービス出動件数でバッテリー上がりが相変わらず1位となっているのは、それだけ負担が大きいということだ。シンプルな構造で信頼性の高い鉛酸バッテリーでも、最近の酷暑ではまいってしまうのである。

 バッテリーの電力を大きく奪うのは、エンジン始動のほか、灯火類やエアコンのブロアファン、それにラジエターの電動ファン、電動パワーステアリングなどがある。特に真夏の渋滞では電動ファンが回る頻度が増え、バッテリーの負担が大きくなってしまう。

 普段から充電量が不足気味だったバッテリーは、真夏の渋滞で発電量不足によってダウンしてしまう、というのが真夏のバッテリー上がりの大きな原因となっているのだ。

 では、バッテリーの劣化はなかなか気付きにくく、気付いていても、まだ大丈夫と思ってうっかりしていると、ある日突然動かなくなる、ということも充分ありえる。もし、バッテリーが「もう寿命ですよ、注意してください」いう、予兆がわかればそれを防ぐことができる。以下がその予兆である。

・パワーウインドウの動きが鈍くなった
・ヘッドランプがエンジンの回転数によって明るさが違う
・エンジンを始動する時、セルモーターが弱く、回り方が遅くなった
・アイドリングストップが入りにくくなった

 上記の予兆が1つでも当てはまるのであれば、バッテリー液量やインジケーターのチェックをしたい。自分では無理! という人ならディーラーや最寄りのカー用品店にチェックしてもらって劣化しているのがわかったら早めに交換するといいだろう。

 また、搭載されているのが一般的な鉛酸バッテリーであれば、カー用品店でパルス発生機能付き充電器(7500円~)を購入し、バッテリーを延命させる手もある。

■夏の暑さはエンジンオイルの寿命を短くする

エンジンオイルが汚れていたらすぐ交換することをお薦めする(NorGal – stock@Adobe Stock)
エンジンオイルが汚れていたらすぐ交換することをお薦めする(NorGal – stock@Adobe Stock)

 最新車だからエンジンオイルを1年交換しなくてもいい、とタカをくくっていないだろうか。たしかに、エンジンオイル交換時期は、通常の場合、1年または1万5000kmの早いほうと推奨されている。

 しかし、酷暑日などに走行した場合は、専門用語でシビアコンディションと呼ばれ、いわば想定外に近い状況。もちろん暑さだけでなく、エンジンの負荷の大きい上り坂の走行が多い、雪道での走行が多い、8km以下を基準とした近距離の使用が多い、30km/h以下の低速走行が多い、アイドリングが多い、といった走行状況がシビアコンディションと呼ばれている。

 特に酷暑日に渋滞やストップ&ゴーの多い街中での走行の場合、エンジン内部で水蒸気が起き、その水蒸気は油温が上がらないと蒸発せずにエンジン内部に残るため、エンジンオイルの劣化を早めることになる。

 こうしたシビアコンディションの場合、エンジンオイルの交換サイクルは、通常が1年または1万kmの場合、半年または5000kmとなるのだ。つまり、通常の半分の期間、走行距離で交換必須となるのだ。

 そして冷却系も酷暑に耐え切れずにオーバーヒートを起こすこともある。ファンが故障し回らなくなったり、水温センサーやサーモスタットが壊れて、ファンが回らず、「ぷしゅー」と水しぶきを上げることになる。昔はこのような状況を真夏によくみかけたものだ。

クーラント液を見て汚れがないか減っていないかチェックしよう(nikkytok@Adobe Stock)
クーラント液を見て汚れがないか減っていないかチェックしよう(nikkytok@Adobe Stock)

 初年度登録から7年以上経過しているクルマなら、出かける前にはクーラントの量と色、濁りなどをチェックすることも防衛策。渋滞中も時々は水温計や警告灯などに異常がないか、メーターで確認すべきだろう。冷却系のほったらかしもクルマの寿命を短くするNG行為なのだ。

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