日本初の“ハイオーナーカー”として1968年に登場した初代ローレル。ハイオーナーカーと言われてもピンとこないかもしれないが、要は個人オーナー向けの高級車といった位置づけで、当時はスカイラインやセドリックにも商用モデルが存在していたのに対し、ローレルは乗用モデルのみという点もハイオーナーカーたる所以となっていた。そんなローレルは1972年に2代目へとフルモデルチェンジし、初代よりもさらにハイオーナーカーとして高級感のある堂々たるスタイルを実現していたのだ。
文:小鮒 康一/画像:日産
【画像ギャラリー】そのリアの迫力とくと見よ!! 歴代ローレル フロントアンドリア集! (32枚)画像ギャラリー実はあの車種と近しいサイズだった2代目ローレル
初代のヨーロピアンスタイルから一転してアメリカンスタイルとなった2代目ローレル。写真で見るとかなり迫力のあるスタイルで、さぞかし大柄なボディを持っていたようにも見えるかもしれない。
しかし2代目ローレル(セダンモデル)のボディサイズは全長4500×全幅1670×全高1415mmと5ナンバーサイズの上限にも達していないものとなっており、先日惜しまれつつも終売が発表されたカローラアクシオと全長ではわずか10cmほど長く、全幅については25mmも幅の狭いサイズだったのである。
このように実際のボディサイズよりも大きく見える2代目ローレルだが、その理由の一番大きなところはやはり冒頭でもお伝えした通り、アメリカンスタイルのボディデザインが影響しているのは間違いない。
フロントマスクは初代と同じく丸型4灯ヘッドライトと逆スラントのノーズという基本スタイルではあるものの、フロントグリルのデザインはかなり彫りが深いものとなっていて、立体感のある堂々としたものとなっていた。
愛称はブタケツ!! ボリューミーな造形美
そしてリアに至っては2ドアハードトップモデルが灯火類をバンパー部にビルトインしたことで非常にボリューム感のあるスタイルとなっており、“ブタケツ”という愛称がつけられるほど。
セダンも灯火類こそボディ部に備わっていたものの、クーペ風のなだらかな傾斜を持つトランクとボリューミーなリアフェンダーの造形も相まって、ボディサイズ以上の存在感を放っていたのである。
そして1973年10月のマイナーチェンジでは、セダンのフロントマスクが「ガメラマスク」と呼ばれるさらに個性的なものとなっただけでなく、それまで2Lが最大だったエンジンを一気に2.6Lまで拡大。
さらに1975年9月には2.6Lを2.8Lへとさらに排気量アップをし、ボディのデザインに負けない心臓部を手に入れていたのだった。
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