最近のミニバン、特に現行型のアルファードやヴェルファイアに乗ったことがある人の中で、バックドアの開閉に苦労した人は多いはず。予備知識ゼロではまず開けられない“開かずのドア”を持つクルマを紹介する。
文:デグナー12(Team Gori)/写真:トヨタ、マツダ、デグナー12、ホンダ、写真AC
スイッチはどこ? バックドアの開け方がわかりにくいぞ
従来のバックドアの開閉はナンバープレートの上部に位置するスイッチで行うのが主流。しかし、アルファードやヴェルファイアの開閉スイッチはテールライト付近にあり、言われなければ気づかないほど目立たない。オーナーであれば納車時に説明を受けるので困ることはないだろうが、レンタカーなどで乗ったときには思わず立ち尽くしてしまうかも。
ただ、知った上で使えばこの方式にはちゃんとメリットがあり、従来のスイッチ位置ではバックドアの開閉にあわせて自分の立ち位置を少しずらす必要があったが、テールライト下にスイッチがあれば、バックドアの後方に立つことなく操作が可能。電動バックドアの普及により、スマートな開閉が実現したと言える。
リアドアの開け方がわかりにくいクルマもある
次に紹介するのは後部ドアの開閉構造がユニークな観音開きのドア。マツダ RX-8 や MINI クラブマンが代表例だが、このタイプは後部ドアの外側にドアノブが存在せず、開閉するには、先に前側のドアを開けてから内側にある後側ドアのレバーを操作する必要がある。そのため、後側ドア単独での開閉はできず、慣れていない人はやや戸惑う。
その一方で、外観上はすっきりとしたクーペスタイルを保ちながらも、リアシートへのアクセス性は良好。特に狭い駐車スペースではコンパクトな後側ドアが活躍する。機能性とデザイン性を両立させた、ちょっと変わったドアの仕組みだ。他にも先代スイフトやC-HRのように、後部ドアの窓の後端にドアノブが設けられたモデルも存在する。
収納されてドアノブを握れないクルマたち
近年の高級車やBEVに多く見られるようになった、新しいタイプのドアノブにも注目したい。メルセデスベンツ Sクラスや、BYDのシールなどに採用されているのは、平常時はドアに収納されているドアノブで、ドアの開閉時だけ電動でせり出してくる仕組み。クルマが発進すると自動的に収納され、滑らかな車体ラインを保つ。
このような収納式ドアノブは、見た目のスマートさだけでなく、空気抵抗や風切り音を抑える効果も期待でき、走行性能や静粛性の向上にも貢献。機能性とデザイン性を高度に融合させた、現代のクルマらしい先進装備と言えるだろう。
これらのようにドアの開閉に戸惑うさまざまなクルマがあるが、ドアノブはクルマに乗る際に最初に触れる部分。オーソドックスなドアノブもいいが、凝りに凝ったドアノブもまた、高級車の証と言える。スーパーカーに開けにくいドアが多いのもうなずける。
コメント
コメントの使い方開け方が解らないで有名なのはTVRですね。
ソードフィッシュでは部下?がスマートに開けてましたね。