いまから約3年半前の2021年12月14日、トヨタは「バッテリーEVに関する説明会」を開催し、2030年までにZEV(ゼロエミッションビークル)の年間販売を350万台にするという目標を発表、会場では市販直前だったbZ4Xを含む、16台のBEVコンセプトカーも公開されました。
あまりに多彩でインパクトのあるラインアップに驚かされましたが、はたして、あれからどれだけ市販化が進んだのでしょうか。一挙に振り返ってみましょう。
文:吉川賢一/写真:TOYOTA(撮影:三橋仁明/N-RAK PHOTO AGENCY)
【画像ギャラリー】トヨタが本気で狙ったBEV大攻勢!! 全16車種のコンセプトカーたち(23枚)画像ギャラリーbZシリーズは、スモールクロスオーバーSUV 以外はすでに発表済
2021年12月に公開された16台のBEVコンセプトカーは、bZシリーズとして展開される「BEV専用モデル」とレクサスブランド向けの「高級BEV」、コンパクトカーやSUV、コミューター、スポーツカー、ピックアップ、小型バスなどを含む「ライフスタイルBEV」の大きく3つに分類されます。
bZシリーズとしては、スモールクロスオーバーSUV、ラージSUV、ミディアムセダン、ミディアムクロスオーバーの4台が公開されました。このうちミディアムセダンは中国で「bZ3」として2022年10月に発表。 bZシリーズ共通のハンマーヘッドデザインを採用し、ロングホイールベースにファストバックスタイルというスポーティなデザインで、最長航続距離は600kmと発表されています。
ラージSUVの「bZ3X」も2024年4月に正式発表となりました。こちらも中国市場向けで、ファミリー層を意識した大空間パッケージが特長。2025年3月に発売予定で、価格は10万9800~15万9800元(約223万~325万円)と、コストパフォーマンスも魅力です。
2025年4月にはミディアムクロスオーバーの「bZ5」も正式発表に。当初は「bZ3C」として予告されていたモデルで、全長約4.7mのスポーティなエクステリアが特徴。最長航続距離は標準グレードで550km、上位グレードで630kmを実現します。このタイミングでは、全長5m超の大型セダン「bZ7」も新たに公開。1年以内の発売が予定されています。
あとひとつ残されているスモールクロスオーバーSUVについては、2025年6月末時点、市販化の発表はない状況です。

レクサスBEVシリーズは、現時点RZのみ市販化
レクサスブランド向けのBEVシリーズとしては、クロスオーバーSUVの「RZ」のほか、フラッグシップスポーツ、スポーツセダン、3列シートSUVの3台が公開されていましたが、現時点で市販化されたのは「RZ」のみ。
ただ、2023年10月のジャパンモビリティショーでは、次世代BEVとして「LF-ZC」と「LF-ZL」の2つのコンセプトカーが発表されており、このうちの「LF-ZC」は、「スポーツセダン」の進化系に該当するものと思われ、その特徴的なスタイルから、2025年4月の上海モーターショーで披露された新型「ES」が市販版であろうと考えられます。この新型ESはBEVだけでなくハイブリッド仕様も用意され、日本での発売は2026年春頃が予定されています。
「LF-ZL」については、レクサスはフラッグシップコンセプトモデルとしており、将来のLSやLMをイメージしたモデルのようで、フラグシップスポーツとは全くの別物と考えられます。そのため、レクサスBEVシリーズとしては、フラッグシップスポーツと3列シートSUVがこれからという状況。
レクサスは2035年までにすべてのラインアップをEV化する方針を掲げていますが、BEV専用車のラインアップはまだまだこれから。今後の動きに注目です。


























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