現在、経営的に窮地に置かれている日産自動車。この状態を脱するにはさまざまな方法があるかもしれないが、自動車メーカーである以上、魅力的な新型車をリリースしてユーザーを獲得するという道筋が大前提となることは間違いない。先日、新型エルグランドが登場することが正式に発表されたのは、その第一歩かもしれないが、今回はその他にも必要なクルマは一体なにか考えてみたい。
文:小鮒 康一/画像:日産、ベストカーWeb編集部/予想CG:ベストカー編集部
【画像ギャラリー】日本導入の声多数!? マーチにN7にパトロール!! 2025年上半期話題になった海外日産車たち! (8枚)画像ギャラリー今のラインナップではユーザーが離れる一方では
現在の日産の新車ラインナップを見てみると、ノートシリーズやセレナ、エクストレイルと安定した販売台数を記録しているモデルも揃っている。ただ売れているクルマがあるということと顧客が満足しているかということは必ずしもイコールではない。
例えばノートは販売台数ランキングではトップ5に安定してランクインするモデルとなっているが、ノートが欲しくて購入したユーザーのほかに、選択肢がノートしかないからノートを買ったというユーザーも存在しているハズだ。
それまでは日産の登録車エントリーモデルとしてマーチが存在しており、先代ノートには安価なガソリンモデルも存在していたが、現在はe-POWER専売のノートしかないため、やむなくノートを買っているケースもあると聞く。もちろん日産以外の選択肢もあるので、一部のユーザーは日産以外のコンパクトカーに流れてしまうのは当然だろう。
そのため、マーチのような比較的安価で購入することができるエントリーモデルの復活は急務で、軽自動車もデイズの一番安いモデルでも140万円台からとなっているため、軽自動車もエントリーモデルがあるといいのではないだろうか。
ミドルクラスセダンがないのも痛いところ!?
そして人気のクロスオーバーSUVも上級移行してしまったエクストレイルとやや古さが気になるキックス、そしてユーザーが限られるBEVのアリアというラインナップで、旧型エクストレイルやジューク、デュアリスなどのユーザーが乗り換える先がないのも厳しいところ。
またすでにメインストリームではなくなったものの根強い需要のあるセダンもスカイラインのみで、ラティオ、シルフィ、ティアナといったユーザーの受け皿がないのも悩ましい。
すべてをカバーするのは難しいとしても、ミドルクラスのセダンが一車種あるだけで長らく日産のセダンを愛していたユーザーを引き留めることができるハズ。
こうしてみてみると、日産の国内ラインナップの問題は、ラインナップを集約し過ぎてしまったことと、ユーザーを上級移行させようとしていることが見え隠れすることが挙げられるだろう。
もし地球上に自動車メーカーが日産しかないのであれば、車種を絞って上級移行を促すことで客単価を上げることもできるかもしれないが、ユーザーはさまざまな自動車メーカーから愛車を選ぶことができるのである。
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