SUVのGXとスポーツモデルのRC F、そしてBEVモデル以外の全車にハイブリッドモデルが設定されているレクサス。しかし2005年に日本にレクサスブランドが導入された直後はハイブリッドモデルが存在せず、長らくガソリンモデルのみのラインナップとなっていた。そんなレクサスブランド初のハイブリッド専売モデルとなったのは、国内のレクサス車としては初のFFを採用したHSだった。
文:小鮒 康一/画像:レクサス、トヨタ、ベストカー編集部
【画像ギャラリー】レクサス HSご自慢の内装がダンディズム満載!? セミアニリン本革シートや本木目パネル! ステアリングの杢目もシブくてついつい握りたくなる!?(23枚)画像ギャラリー3代目プリウス時代に登場したレクサスHS
レクサスのハイブリッドモデルはGSやLS、RXにガソリンモデルの併売が存在していたが、初のハイブリッド専売モデルであるHSが登場したのは、3代目プリウス登場直後の頃。
ただパワートレーンは1.8Lのプリウスに対し2.4Lのエンジンを搭載しており、明らかにプリウスよりも車格が上のモデルとなっていた。
ベースとなっているのはプリウスなどにも使用されているプラットフォームであったが、リアサスペンションをダブルウィッシュボーン式にするなど、走りの上質さに関わる部分には専用のものがおごられていたのもレクサスブランドのモデルならでは。
ボディサイズは同時期のISにほど近い扱いやすいものとなっており、エントリーグレードでは395万円からと価格帯としてはレクサスの中では最も安く、他社やトヨタブランドの上級セダンユーザーからの乗り換えも視野にいれた戦略的なものだった。
ボディ形状も当然プリウスのようなハッチバックではなく、コンサバティブな4ドアセダン。ハイブリッドバッテリーをトランクスペースではなくリアシート下に置いたことで、セダンとしては実用的なラゲッジ容量415Lを実現していたのもポイントだった。
SAIよりは高級仕立てなんだけど……
レクサスブランドに相応しい上質で落ち着きのあるエクステリアデザインはもちろん、インテリアには先進的なリモートタッチを採用し、センタークラスター中央に備わる操作部にてナビなどを操作できるようになっていた。
そのほかにも、セミアニリン本革シートや本木目パネルといった本格的な素材を用いて高級車であることを静かにアピールしている。
なお、HSにはトヨタブランドで販売される兄弟車として「SAI」というモデルが存在しており、2.4Lハイブリッドのパワートレーンや前後の足回り形状など基本的なスペックは共有していたが、両車を比較すると明らかにHSの方が高級な仕立てとなっていた。
ただ、一見するとデザインの違い以外の差異を見つけ辛かったというのもまた事実だった。
結局、HSもSAIもややニッチなモデルになってしまい、2代目モデルが登場することはなかったが、世界がハイブリッドモデルを受け入れるようになってきた過渡期をカバーする重要な車種であったことに違いはない。

























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