北米発のスタイリッシュワゴン「ホンダ アコードワゴン」
ホンダから1991年に登場した「アコードワゴン」は、北米ホンダ製で、低く長いシルエットと軽快な走りが魅力のモデルでした。独立ダブルウィッシュボーンサスペンションによる軽快な操縦性とVTECエンジンによる高回転フィールは、走り好きなファミリードライバーから高い支持を獲得。上質な内装や左ハンドル仕様、そして「HONDA OF AMERICA」の金色エンブレムなどが、「ちょっと舶来風」な個性を演出しており、都会派のファミリーカーとして人気を集めました。
ワゴンブームは「走りと実用の融合」という価値観をつくりあげた
1990年代のステーションワゴンブームは、スキーやキャンプといったレジャー志向が高まり、「荷物がたくさん積めて、4WDでどこへでも行けるクルマ」が求められたことに加え、1989年の自動車税改正により3ナンバー車へのハードルが下がったことや、高速道路網の整備が進んだことなどによって、全幅や排気量にこだわらないクルマ選びが可能になったこと、またそれまで「商用車」のイメージが強かったワゴンを、メーカーがテレビCMなどでサーフボードや自転車を積む「おしゃれなライフスタイルの道具」として印象づけたことなどによって引き起こされたと考えられます。古臭いカタチのセダンよりも、アクティブで若々しく見えるワゴンの外観も、人気の後押しをしたことでしょう。
2000年代以降は、ミニバンやSUVの人気に押され、ワゴン市場は次第に縮小していきましたが、レガシィツーリングワゴンを筆頭に、カルディナ、ステージア、アコードワゴンなどは、「積めて走れる」という価値観を築き上げた名車であり、今日のクロスオーバーSUVに受け継がれているように感じます。現在国内市場においては、少数派となってしまっているステーションワゴンですが、スバル「レヴォーグ」やトヨタ「カローラツーリング」などの実用的なスタイルに魅力を感じる人は少なくないはず。再び注目を浴びる日が来ることを期待したいです。
【画像ギャラリー】30年前は熱かった!! 90年代のステーションワゴンブームのなかで誕生した名車たち(12枚)画像ギャラリー













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