税金対策でなぜ中古車を買うのか？　新車じゃ全然ダメなその理由

経理を知っている社長は４年落ちのLSを買う？

　銀行員からから自動車ディーラーの営業マンに転身した筆者。クルマの販売をしながら、色々な会社の社長と話をする機会が多かったが、特に中古で4年落ちのLSを買いに来る会社社長とは金融談議に花が咲いていた。ここでのキーワードは、「4年落ちのLS」である。新車のLSではダメなのだ。

一体どういうことか。前段の減価償却（1年で落とせる経費）の話に少し戻る。

　新車の場合6年だった減価償却の期間は、中古車では変わってくる。中古車の減価償却のルールは、初度登録からの経過年数によって決められているのだ。1年落ちで5年、2年落ちで4年、3年落ちで3年となり、4年落ち以上では2年間となる。

　勘のいい方は、ココで気づいたはず。前段で600万円の新車は毎年100万円しか経費にならなかったが、4年落ちで600万円の中古車ならどうだろう。償却期間が2年だから、単純計算で年間300万円も経費にできるのだ。（※実際の減価償却の計算方法とは異なるので悪しからず）

　これを知っていて、意図的に高い中古車を買い求める社長には切れ者が多い。会社社長と話をする機会があって、「うちのクルマは恥ずかしながら中古だよ」なんていうフレーズが出てきたら、相当やり手な社長さんなのである。

　中古車には、新車に負けない魅力が詰まっているが、償却期間の短さもそのひとつ。もしも事業を起こしてクルマを買うというときには、迷わず4年落ちの中古車を探しに行くと良いだろう。