現代の国内では、力強いデザインのSUVやピックアップトラックのイメージが強い三菱自動車ですが、いまから30年以上前の北米において、三菱は「若々しくてカッコいいクルマ」をつくるメーカーとして、若者から絶大な人気を誇っていました。
なかでも2代目以降のエクリプスに設定されていた派生車「エクリプス スパイダー」は、そのイメージを築くうえで大きな役割をはたしました。日本でも販売されていたエクリプス/エクリプス スパイダーについて、振り返ってみましょう。
文:吉川賢一/写真:MITSUBISHI
【画像ギャラリー】めちゃくちゃかっこよかった三菱車 2004年に登場した左ハンドル仕様の3代目「エクリプス スパイダー」(19枚)画像ギャラリー見た目の斬新さと中身の高性能ぶりで若者の心を掴んだ初代「エクリプス」
三菱自動車が米国市場に本格参入したのは1980年代中盤のこと。それまでOEMを受注していた協業相手のクライスラーと、米国現地生産会社の「ダイヤモンド・スター・モーターズ」を設立、そこで生み出された一台が、2ドア4シーターのスポーティクーペ「エクリプス」でした。
三菱の北米デザインスタジオが手がけたスタイリッシュなデザインが特徴的な初代エクリプスは、1989年に発表され、1990年から販売がスタート。モデル名の由来は、18世紀に数々の勝利をおさめた英国の競走馬「エクリプス」。まさにライバルを打ち負かす意気込みが込められたネーミングです。日本にも輸入販売されました。
低いフロントノーズにリトラクタブルヘッドライト、流麗で近未来的なボディライン、2トーンの鮮やかなカラーなど、当時のスポーティクーペのなかでもひときわ目立つ存在だった初代エクリプス。ギャランをベースに開発されたシャシーを採用し、標準モデルのほか、GS、GSターボ、そしてフルタイム4WDのGSXがラインアップ。(四輪駆動のGSXを除いて)前輪駆動がベースで、GSターボとGSXには、最大出力195PSを発揮する2.0リッター4G63ターボエンジンを搭載、0-60マイル加速は7秒未満という高性能を誇りました。
洗練されたデザインと刺激的な加速性能で、エクリプスは北米の若者たちの心をガッチリつかみ、大ヒットモデルとなります。クライスラーからはプリムス・レーザー、イーグル・タロンとしても販売され、いずれも人気を博しました。
よりスポーティになった2代目、「スパイダー」も登場!
1994年に登場した2代目エクリプスは、初代のコンセプトを引き継ぎながら、ボディをワイド化し、よりスポーティで洗練されたプロポーションへと進化。ヘッドライトは固定式になり、インテリアにはドライバーを包み込むようなラウンドコクピットを採用するなど、全体的に丸みを帯びたデザインとなりました。
シャシーは引き続きギャランベースで、前輪駆動モデルと4WDモデルを設定。最高出力230PSの2.0Lターボエンジンや前後ともにマルチリンク式サスペンションを採用するなどによって、走行性能にもさらに磨きがかけられました。
そして1996年、待望のオープンモデル「エクリプス スパイダー」が追加されます。電動ソフトトップによる開放感、視線を集める美しいスタイリング、そして高性能なパワートレインが融合したスパイダーは、1990年代を象徴するスポーツ・カブリオレとして高く評価されました。
2001年公開の映画「ワイルド・スピード」第1作で、主人公ブライアンが序盤のレースシーンで駆るライトグリーンのカスタムカーは、まさにこの2代目エクリプス。劇中では銃撃により爆発してしまいますが、そのインパクトもあり、エクリプスは改造ベースとしても人気を集めました。





















コメント
コメントの使い方エクリプスは四代目が圧倒的に良い。足も良くて大排気量ならではのパワーが楽しくなるし
見た目もこの時代に、現行プリウスにも対抗できる未来的なフォルム。3ドアと5ドアの違いがあってもこれはすごいデザインでした