ほぼ定期的に開催している「ベストカー執筆陣が選ぶ日本車ランキング」。ここでは、日本のお家芸ともいえる「ミニバン」のランキングを発表する。サイズで分けず無差別級として、5名の自動車評論家が採点。小よく大を制するか!?
※本稿は2025年7月のものです
文:島崎七生人、渡辺陽一郎、橋本洋平、ベストカー編集部/写真:ホンダ、トヨタ、日産、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2025年8月26日号
ベストカー執筆陣が選ぶミニバンランキング
ミニバンは大小のサイズで分けずに、5人の採点を集計。結果、コンパクトなフリードが1位となり、2〜4位はミドルサイズミニバンが激戦を繰り広げた。
フリードの便利さが光る(島崎七生人)
ミニバンは日本のモータリゼーションにとって欠かせない存在だ。筆者宅は大人2名+犬1匹なので実体験として所有経験がないのだが、用途やライフステージに合わせて車種が選ばれているのは、ウォッチングしているとよくわかる。
ランキングではコンパクトカーと同様にフリードが1位だが、これも順当なところ。コンパクトサイズだが6人/7人乗りが用意され、シートアレンジなどの使い勝手のよさ、便利さも光る。同じホンダのステップワゴンは、個人的に道具感のあるクリーンなスタイリングを評価した。
一方、そのほかのノア/ヴォクシー、セレナ、アルファード/ヴェルファイア、デリカD:5、シエンタは、広くユーザーに認められている実勢が、これらのクルマの実力を示している。オデッセイ、今のエルグランドは、さすがに新鮮味にかけて他車に一歩譲る。
総合力でノア/ヴォクシー(渡辺陽一郎)
ミニバンでは、多人数乗車時の快適性、シートアレンジなどが重視され、安全性も大切だ。そこでノア&ヴォクシーを1位に選んだ。3列目はレバーを引くと自動的に持ち上がり、片手で格納できる。3列目の居住性も快適だ。
安全装備では、スライドドアが開き始めた時に後続車両が接近すると、作動を止めて降車時の事故を防ぐ機能もある。
ただし、最終順位の1位はフリードとなった。私の採点では3位だ。全高が1755mmと低く、3列目は床と座面の間隔も不足して、着座姿勢が窮屈になるからだ。
2位はミニバンながら安定性と乗り心地のバランスが優れたステップワゴンと、ミドルサイズミニバンでは3列目の居住性が最も快適なセレナを同点とした。
アル/ヴェルPHEVが最高(橋本洋平)
個人的に特に高得点としたのはやはりアル/ヴェル。それもPHEVモデルに乗った時にこれ以上のものはないとさえ思えてしまった。
静粛性が高く、しかも重さもあって乗り心地もしなやか。至れり尽くせりの車室内装備は満載であり、もう運転なんてしたくないと本気で思ってしまったあたりがいい意味で裏切られた。
次点としたレクサス LMは、高いし足は可変だしアル/ヴェルよりいいだろうとも思ったが、やはりPHEVではないところがややマイナス。早くモーターのみで都市部を移動できるようにするべきだ。
3番目にしたステップワゴンはMクラスミニバンの中で、リニアなきちんとした走りと質感の高い乗り心地があったから。もしもドライバー視点としてだけの話をするのであれば、アル/ヴェル以上の点数をつけていたかもしれない。Mクラスミニバンの中ではダントツともいえる仕上がりである。

























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