日本導入のウワサもある日産 パトロール。北米では「アルマーダ」の車名で販売される、最大級のサイズを誇る本格SUVだが、そのパトロール(アルマーダ)にNISMOモデルが登場した。日産の景気もブチ上がる495馬力の妙技を味わえ!!
※本稿は2025年7月のものです
文:ベストカー編集部/写真:日産
初出:『ベストカー』2025年8月26日号
産油国で走るんだからハイブリッド要らないだろ!!
追浜工場での車両生産終了を発表するなど、ちょっと寂しいニュースが多い日産。そんななかでも超ワクワクするクルマが中東と北米で発表された。それがパトロールニスモ(中東)とアルマーダニスモ(北米)だ。
現行型から基本的に同じ車両になった2車種。心臓部にはVR35DDTTを搭載。いわき工場謹製のこのエンジンは今時なのに「V6ツインターボ」。もう「ツインターボ」ってだけで白飯がいけちゃうって人も多いはず。
そして「VR」というだけに、GT-Rに搭載されるVR38DETTと兄弟エンジンだ。そしてニスモがチューニングしたそのパワーは475馬力、最大トルク700Nmというランクル300もドン引きのスーパースペック。
しかもハイブリッドなんざ用意しないという男前仕様だ。日産よ、こう来なくっちゃダメなのよ。
もちろんエンジンだけじゃなくてエクステリアもこだわり満載。ニスモモデルらしく随所に赤いラインが入り、今回は裾回りだけではなくなんとグリルにも赤いストライプがシュッと入る。どでかいグリルにはこのラインが効く。
もちろんボディ塗色には「ステルスグレー」が用意され、ニスモのスポーツイメージがこの巨体でもバッチリ感じられる。
中東ではパトロールの支持率が非常に高く、きっと大富豪たちはニスモで砂漠を爆走するのだろう。そりゃ700Nmもあれば楽しいでしょうなぁ。
骨太かつシャープなNISMOの意匠
インテリアも抜かりない。そもそもパトロール標準車の内装の誂えは非常に完成度が高いのだが、それに加えて「ファンクショナル・ビューティ(機能美)」をテーマにニスモ流に仕立てられている。
ニスモロゴ刺繍が入るヘッドレストに、サイドサポートの高いシートがまず目を引く。背もたれと座面に赤い加飾が入り、その仕立ては画像で見るかぎり毛足の長いアルカンターラのような雰囲気を感じる。
エアコンの吹き出し口の周辺にも赤いラインが入るなど、内外装で赤を意識したデザインは、乗っても降りても満足感はかなり高め。そして一般的にはここまで赤を際立たせると幼稚になりがちだが、スポーティさをきっちり維持しているあたりはニスモらしい上手い演出だ。
気になる日本デビューだが、おそらくパトロール標準車は2026年度内に投入されれば万々歳。そしてこのニスモ導入については……厳しいと見るのが自然だ。
しかし日産が生きる道のひとつは「日産を選ぶ理由」の再定義だろう。日産じゃなければ出せないクルマの模索としては、国内市場にパトロールニスモ投入は悪手とは思えないが……どうなる?
●日産 パトロールNISMO 主要諸元
・全長×全幅×全高:5295×2070×1945mm
・ホイールベース:3075mm
・車両重量:2817kg
・最低地上高:195mm
・エンジン:V6ツインターボ
・総排気量:3492cc
・最大出力:495hp/5600rpm
・最大トルク:700Nm(71.4kgm)/3600rpm
・トランスミッション:9AT
・タイヤサイズ:275/50R22
・価格:1822万円(UAE現地価格/編集部調べ)


















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