日本国内では混迷中の日産だが、日産の中国法人である日産(中国)投資公司と東風汽車が、中国国内で輸出目的の合弁会社設立を発表した。中国国内で発表したBEVのN7が好調の日産だが、このタイミングでの合弁会社設立の意図とは!?
※本稿は2025年7月のものです
文:角田伸幸/写真:日産
初出:『ベストカー』2025年8月26日号
合弁会社設立から見えてくる日産の意図
2025年6月25日、日産の中国法人である日産(中国)投資公司と東風汽車が、中国国内で輸出目的の合弁会社を設立すると発表した。
資本金は10億元(約2200億円)で、出資比率は日産60%、東風40%。中国製の完成車や部品、アクセサリーのグローバル供給を加速する戦略の一環であり、日産が中国を、EVの国際的な生産拠点としたい意図が透けて見える。
となると気になるのが、中国で絶賛話題沸騰中の電動セダン「N7」だ。こいつが輸出され、ひょっとしたら日本にも導入されるのではなかろうか? 現地の日産(中国)投資公司に問い合わせてみたのだが、残念ながら現時点ではノーコメントとの回答だった。
N7は中国主導で開発された初めての日産車で、発売からわずか1カ月半で2万台の予約を集めたことがニュースにもなった。
0〜100km/h加速3.9秒という俊足で、広大な室内空間と上質な内装を備えながら、現地価格は240万~300万円という驚異的なコストパフォーマンスを誇る。一方、高度なADASには中国のモメンタ社の技術を採用しており、先進機能の面でも抜かりはない。
さてこのN7、輸出自体は行われそうだが、当面は東南アジアや中東がメインになると予想され、仮に日本導入がなされるとしてもその後になる可能性が高い。
量産体制の確立や市場適合性といった問題もあり、日本マーケットを視野に入れた場合は、法規制やユーザー嗜好の違い、前述のモメンタ製ADASの採用の可否も課題になりそうだ。
それでも、性能・価格・話題性と三拍子揃ったN7はヒットする可能性大。日本の道を走る日を期待せずにはいられない!

















コメント
コメントの使い方いよいよ日産CM通り、「やっちゃえ中国に」が、実現するのか
東風汽車の関連会社と技術の規模をなめてる日本人は多いので、国内でだけは良い顔されないでしょうけど
凄い相手なので、これがうまくいけば、結果的にはホンダと組まなくてよかったという事になります。
懸念は一つだけ。短期的には日産に最高の提携でも、長期的には技術も資本も骨抜きにされる危険性です