クルマが好きになったきっかけは人それぞれだろうが、小さい頃に見たアニメやドラマなど、TVのなかで活躍するクルマのカッコよさに影響を受けたという人は少なくないだろう。刷り込まれた作品は世代によってこれまたバラバラだが、多くのクルマ好きを生み出しただろう代表的な作品をいくつか振り返ってみたい。ひととき、懐かしさに浸って欲しい。
文:奥津匡倫(Team Gori)/写真:トヨタ、日産自動車、ポルシェ
20~30代くらいの世代はやっぱりコレ!? 「頭文字D」
クルマ好きになったきっかけが「頭文字D」だったという人は多い。そもそもは漫画作品だが、アニメや実写版など、さまざまな形で映像化され、多くのファンを獲得した作品だ。
あまりにも有名なので作品の詳細には触れないが、トヨタ AE86、それも現役時代は人気薄だったトレノのハッチバックが人気高騰し、流通価格が爆上がりするきっかけになったり、86(ハチロク)という名のスポーツモデルが登場する一因ともなった。
舞台となった群馬の山が聖地として世界的に有名になるなど、大きなムーブメントとなったことは記憶に新しい。
40代の人はコレか!? 「トランスフォーマー(G1)」
さまざまなアニメシリーズや、近年の実写映画版など、多くの派生作品を持つ「トランスフォーマー」シリーズだが、そもそもは日本製の変形ロボットの玩具がアメリカに輸出され「TRANS FORMER」として逆輸入されたのが最初。そのため、G1と呼ばれる最初のシリーズでは、アメリカで制作されたアニメにも関わらず、日本車やスーパーカーブームの影響を感じさせる車種が多く登場していた。
放映されていた1980年代後半、小学生を中心に大人気だったこともあり、この作品をきっかけにクルマに興味を持ったという当時の少年も多かったはずだ。
オジサン世代が昔憧れた「あぶない刑事」とF31レパード
横浜を舞台にタカとユージの2人の刑事が活躍する人気シリーズ。刑事ものらしからぬスタイリッシュさが人気を集め、長きに渡り愛され続けているシリーズだ。
劇中、多くの車両が登場したが、やはりあぶデカのクルマといえば日産 F31レパードというイメージが圧倒的だ。F31レパードは当時大人気だったトヨタ ソアラのカウンターパート的モデル。
販売台数でこそソアラには及ばなかったものの、ファンの熱量? はレパードが上回るとされる。その熱いファンの獲得にこのシリーズが及ぼした影響は小さくない!?
オジサン世代が子供の頃熱狂した「西部警察」
西部警察と言えば、日本のTVシリーズとは思えないド派手なカーアクションや爆破シーンが毎週のように繰り広げられた、日本のカーアクションにおける金字塔的作品だ。
特殊機能を持った日産 スカイラインやフェアレディZがベースのスーパーマシンも登場し、夢中になった少年たちも多かったはず。
西部警察に熱狂していた当時の少年たちも、今は50~60代になっていると思うが、スカイラインやフェアレディZに対する特別な思いを持ち続けているとしたら、この作品によって刷り込まれた部分も多分にあると思うが、いかがだろうか?
ハリウッド映画のようなカーアクションものは多くはないものの、日本が誇る漫画やアニメなどのコンテンツがクルマ好きを生み出す原動力となっているのが日本らしい。
ここに並べたものはごく一部に過ぎないので、他にもクルマ好きを生み出した作品はいくつもあるはずだが、それらについてはまたいずれかの機会にでも。







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