新グレード「ROCK CREEK」の追加で「エクストレイル」らしさもアピール
今回のマイナーチェンジでは、アウトドア志向の「ROCK CREEK」が新グレードとして追加され、同時に、NISMOロードカーの思想に基づき、レース技術のノウハウが詰め込まれた「NISMO」も発表となった。
「ROCK CREEK」は、ブラックを基調としたラバレット加飾が特徴で、専用フロントグリル、前後バンパー、ルーフレール、専用デザインの19インチアルミホイールなど、ワイルドで迫力のあるエクステリアが特徴だ。インテリアにも、シートやドアトリム、インストパッド、ステアリングなど、様々な部位にラバレッド加飾が施されており、シートは防水仕様が標準装備。アウトドアを好むユーザーの需要に合わせて世界観が統一されている。
「速さと気持ち良さを高い次元で味わえる」嗜好の一台に仕上がっているという「NISMO」は、空力とスタイルを両立した専用デザインの前後バンパーやサイドアンダースポイラーを採用することで、空気抵抗を悪化させることなく揚力を標準車よりも29％低減したほか、ハイグリップな20インチタイヤ（ミシュラン パイロットスポーツEV）に合わせてチューニングしたカヤバ製Swing Valveショックを初採用し、ボディモーションの抑制と乗り心地の向上も行われたという。また、専用チューニングのNISMO tuned e-4ORCEによって、リヤ駆動力配分を増やして旋回時のライントレース性も標準車よりも向上しているそうだ。
このほか、従来から設定されていたAUTECHモデルにも、プレミアムスポーティをさらに極める「AUTECH SPORTS SPEC」が追加となった。熟練のテストドライバーがサス特性とパワーステアリングを専用チューニングし、さらに車両制御（VCM）とe-4ORCEの前後トルク配分をドライブモードごとに最適化。パフォーマンスダンパーも装備し、車体の微細な捻じれを吸収して上質な乗り味を狙っている。タイヤは255幅の20インチタイヤ（ミシュラン プライマシー4、255/45R20）を装着し、高い安定性と快適な乗り味を追求したという。
第3世代e-POWERが搭載されれば、めちゃくちゃいいクルマになる!!
今回のマイナーチェンジでエクストレイルは、ベーシックなオンロード志向、ハードなオフロード志向、そして究極のスポーツ志向という、明確に個性の異なるバリエーションを備えることになった。経営状況を考えれば、トヨタのように「オンロード志向はハリアー」「オフロード志向はRAV4」と、モデルごとで棲み分けをはかることは日産には難しいが、グレードによって個性を際立たせた今回の戦略は、幅広いユーザー層にアプローチするうえで有効な方策だと思う。
今回のマイナーチェンジは、かなり欲張った内容にも思えるが、そのぶん従来以上の魅力を兼ね備えた。さらに今後、パワートレインが第3世代e-POWERへと切り替えられれば、ハリアーや（従来型）RAV4を上回る魅力を持つミドルクラスSUVとなることができると思う。
あとは「結果」がどうついてくるかだが、2025年上半期（1月から6月）の販売台数は、エクストレイルが11,095台であるのに対し、ハリアーは30,457台と3倍近くも販売されている（RAV4は13,523台）。同クラスでは受注絶好調のフォレスター（同13,798台）もいるし、今後は新型RAV4や新型CX-5の登場も控えている。かなり厳しい状況ではあるが、クルマ自体の完成度は非常に高く、迎え撃つには万全の準備ができていると思う。
高い走行性能はもちろんのこと、上質なデザインと細部まで配慮された利便性など、昨今の日産車らしい魅力を備えた新型エクストレイルが、この激戦区でどこまで善戦をしてくれるか、大いに期待したい!!
コメント
コメントの使い方性能面ではマイナー前からでも十分充実してるよ。少なくとも走行面ではハリアーを軽く越えてるけれどブランド力で負けてるからね。