ベントレーが90年振りに手がけた2シーターである「バラカル」。その名はメキシコ・ユカタン半島の美しい湖「ラグーナ・バカラル」に由来し、世界限定12台という希少性が話題になった。その激レアモデルがオークションに登場したのだが…金額は意外なものに…?
文:古賀貴司(自動車王国) 情報元:RM/サザビーズ
【画像ギャラリー】これが14万針ステッチのシートか!! 世界12台ベントレー限定が衝撃すぎる。(10枚)画像ギャラリーコンチGTとは似て非なる2シーターモデル
当初、このバラカルは2020年3月に開催されるはずだったジュネーブモーターショーでの発表が予定されていた。しかし、コロナ禍でジュネーブモーターショーは開催3日前にキャンセルが決定。
それでも最近の限定車に“ありがち”であるように、オンラインでの発表時には12台が完売していた。コンチネンタルGTコンバーチブルとバカラルは、似ているようで実は別物だ。共有している外装部品はドアハンドルだけだった。
そしてドアとフロントフェンダーはカーボンファイバー製、リアデッキはアルミ製で約100kgの軽量化を実現していた。
インテリアは完全ビスポーク仕様で、オーナーは素材から色までほぼ無限大に指定できる。
新車時価格は約200万ドル(3億円強)と謳われていたが、ビスポーク仕様ゆえにもっと高くても不思議ではない。
バカラルはルーフが装備されないことで、デザインに純粋さと贅沢さの両方をもたらしている。万が一、ドライブ中に雨に見舞われたら雨宿りできる場所に停車し冗談ではなく、執事に迎えにこさせるのだろう。
状態は極上、メンテナンスもしっかりと受けていた
そんな世界に12台にしか存在しないバカラルが昨年末、RM/サザビーズがアブダビで開催したオークションに出品された。
当該車両は5番目に製造されたもので、モナコを拠点とするオーナーが出品したもの。
外装はメンフィスレッドで仕上げられ、内装で最も目を引くのは古代レッドウッドの根から採取されたヴァヴォナベニアの美しく複雑なバール模様だろう。ホイール1本のペイント仕上げだけでも丸一日かかったという。
シートには1脚あたり14万8199針のステッチが施されているそうだ。
搭載するエンジンはコンチネンタルGTスポーツと同じW12ツインターボエンジンで、最高出力659ps/最大トルク900Nmを誇った。0-100km/h加速はわずか3.5秒、最高速度は320km/h超で、当時はベントレー史上最速のオープントップモデルと謳われた。当該車両、走行はわずか1131㎞で、ほとんど新車状態。
それでも2025年8月、フランスのベントレー・ムージャンで3年点検を受けた記録が残っている。早い話、しっかりメンテナンスも施されている、ということ。
オークションのタイミングも最高だったはずだった。というのもF1アブダビGP開催中に併催され、世界中の富裕層コレクターが集結していたのだ。
落札価格約1.4億円は妥当? それとも安い?
しかし、希少性やコンディション、ロケーション、全てが高値を後押しする要素だったにもかかわらず、結果は87万6875ドル(約1.36億円)で落札された。
絶対金額こそ高額だが、新車時価格と比較すると半値以下である。実はバカラル、過去に1台だけオークションに出品されたが落札に至らず、当該車両が初めてのオークション成約車であるのだ。そういう意味では残念な結果と言わざるを得なかった。
しかし見方を変えれば、今がバカラルの買い時かもしれない。新車時の半額で世界限定12台の1台を手に入れられる。
投機目的でなく、純粋に所有する喜びを求めるなら、これほどの機会はない。電動化の波が押し寄せる中、12気筒の咆哮は過去の遺産になりつつある。
将来的には希少価値が見直される可能性もある。市場の反応は冷ややかだったが、バカラル自体の魅力は色褪せない。
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